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資産運用よりも効果的?住宅ローンの繰り上げ返済、上手な活用法と注意点

やっと手に入れたマイホーム、だがしかし、返済は何十年も続きます。

超低金利が続くとはいえ、金利1%としても、5000万円を借りたら35年で金利負担は1000万円にも達します。そうなると、早めに返済すれば金利負担も減らすことができます。出来れば早く返してしまいたいと思うのも人情でしょう。

貯蓄をしても金利は0.1%以下、かといって株や投資信託は元本割れのリスクが伴います。そう考えると、借金、つまりマイナスの財産を減らすのも資産運用の一つの手段です。

ただし、繰り上げ返済を考えるときは、子供の成長などに合わせた生活設計への配慮が欠かせません。また、繰り上げ返済にも様々なタイプがあり、その後の返済期間や返済額が変わってきます。

今回は、繰り上げ返済のメリット・デメリットをひっくるめて、繰り上げ返済の上手な活用法と注意点を解説します。

500万円の繰り上げ返済効果は500万円ではない

金利1%として、返済期間が残り30年の場合、500万円を繰り上げ返済すると、ローン残高はいくら減るでしょうか?なんと580万円も減るのです。

これが残り20年の場合、ローン残高は550万円減ります。さらに残り10年の場合、ローン残高は525万円減ります。同じ500万円を繰り上げ返済しても、返済時期でこれだけ返済効果は違うのです。

つまり、住宅ローンを返済するなら、なるべく早い時期の方が有利だということです。残りの返済期間が短いなら、むしろ繰り上げ返済しないで、財産として持っておいた方が賢い選択とも言えます。

貯金を選ぶかローン返済か

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働き盛りの35歳、一軒家をローンで購入して早5年、残りの返済期間は30年、そこにちょっとした自由になるお金500万円が入ってきたとします(例えば、お父様が亡くなって遺産が入ってきた、幼いころから積み立ててくれていた簡易保険が満期を迎えた等)。

まだ上のお子さんは5歳、下のお子さんも生まれたばかりで、当面教育費はそれほどかかりません。

では、この500万円を住宅ローンの繰り上げ返済に充てるますか?、貯金等として残しておくべきでしょうか?

金額効果だけを考えれば、繰り上げ返済に充てた方がお得です。何と言っても利回り1%で資産を運用するのは、それほど簡単ではありません。リスクも伴います。

しかし、金額効果ばかりに意識が向くと足元を掬われかねません。それは生活設計の問題です。

生活設計と繰り上げ返済

お子さんが小さいうちは、教育費もそれほどかかりませんが、中学・高校・大学とすすむにつれて、入学金・学費がかさみます。受験ともなれば塾にも通うでしょう。お金がかかるピークは5年後・10年後にやってくるのです。
場合によっては、その時期に教育ローンを借りるという可能性も考えられます。

低金利とは言え、教育ローンの利息は2-3%といったところで、間違いなく住宅ローンより高い利率です。だとすれば、住宅ローンを返済せずに、将来のために資金を残しておくのが得策かもしれません。

別のケースで、奥さんも働いているような場合でこれからお子さんを考えているなら、その他時のために資金を用意しておくことも欠かせません。

出産時の費用は、健康保険から出産手当金や出産育児一時金が支給されますが、それだけでは収まりません。また、産前産後の休暇だけではなく、最近は育児休業を取得するのが一般的です。育児休業期間中は育児休業給付金が支給されますが、収入減は避けられないのです。

住宅ローン控除と繰り上げ返済

もう一つ忘れてならないのは、税金の問題です。住宅ローン契約を結んだときに、おそらくみなさん住宅ローン控除の適用を受けていることと思います。融資残高証明書などの書類を一式取り揃え、普段なじみのない税務署に足を運んで、確定申告をおそるおそる提出した日をご記憶の方も多いでしょう。

この住宅ローン控除、4000万円以下の住宅ローン残高に対して1%分の税金が、10年間にわたり戻ってくる制度です。国民の住宅取得をサポートするために実施している、税金面の優遇措置です。

この住宅ローン控除分の税金は、盆暮れで出費のかさむ年末調整の時期に戻ってきます。最高の4000万円なら、その1%の40万円もの税金が戻ってくるのです。

ちなみに500万円繰り上げ返済してしまうと、税金の戻り分もその1%の5万円分減ってしまいます。10年間でその総額は50万円にも達します。
この金額は、金利1%とした場合の利息相当分とあまり変わりません。

繰り上げ返済するなら、むしろ住宅ローンの適用が終わる10年後まで待った方が得策と言えるでしょう。

ちなみに住宅ローン残高が4000万円を超える場合は、その超える部分については、繰り上げ返済をしても住宅ローン控除の影響はありません。

金利上昇リスクと繰り上げ返済

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日銀のマイナス金利導入など超低金利が続く中、住宅ローンも変動金利だと1%というかつてない金利水準に低下しています。
バブル以前の金利は8%前後、その後の90年代も4%前後という時代が長く続きました。福利厚生の一つに住宅ローンの利子補助という制度を採用していた企業もあったくらいです。

だとすると、今の金利水準の方がむしろ異常でやがて元に戻るかもしれない、そのくらいなら今のうちに返済しておこうと考えても不思議ではありません。

確かに、今後は長期金利が上昇する可能性が無いとは言えません。変動金利を選択している人は不安でしょう。
それでも、かつてのように金利が90年代の水準にまで戻ることはあり得ないというのが、多くのアナリストの見解です。

金利はそうそう上がらない?

例えばデフレ経済です。インフレは金利上昇を招きます。現状はどうでしょう、店頭には中国・インドなど新興国産の低価格商品があふれかえっています。少子高齢化や長引く経済低迷で財布のひもはどんどん堅くなり、だれもがモノの値段が安いのは当たり前と思っています。

低価格路線で飛ぶ鳥を落とす勢いのカジュアル衣料チェーンが、定番商品の価格を値上げしたら途端に売り上げが低迷、慌てて価格を戻した、なんてこともありました。

物価が上がらなければ、金利も上がらないのが金融のセオリーです。

もう一つ、21世紀初頭のITバブル崩壊、2007年のリーマンショックと、世界中の金融当局は、金融危機のたびにマネーをつぎ込んでしのいできました。その結果、世界中はお金でジャブジャブです。資金は行き場を失い、銀行は融資先が無くて困っている状況です。

金利は低くてもいいから、お金を借りてくださいと、銀行から融資を頼み込む時代です。

こんな時代ですから、金利はおいそれとは上がりません。

唯一の心配のネタが、日本国債の暴落です。背景にあるのは、1千兆円にも達する政府の借金です。いったん金利が上昇したら、日本政府は利払いができなくなり、最悪はデフォルトという事態も囁かれています。

でもそうなったら、大不況で勤め先は倒産、超インフレが巻き起こると言われています。少しぐらい繰り上げ返済したから何とかなる話ではなさそうですね。

定年と繰り上げ返済

定年後も返済期間が残るローンを組ませるなんて、常識的な感覚からはかなりずれていますが、完済年齢の上限は、多くの銀行でなんと75歳です。

銀行は何とかしてお金を借りて欲しい、不動産業者は家を売りたい、そしてあなたは家族のためにマイホームを手に入れたい・・・3者の思惑が一致してこんな無茶がまかり通ります。

一軒家を手に入れたのが30歳、35年ローンを組んだら65歳まで返済は続きます。多くの企業では、定年は60歳です。その先、再雇用されるとしても収入は激減します。先細った収入でローンを返済するのはほぼ不可能です。

選択肢は二つあります。退職金を残しておいて月々の返済に充てるのが前者、退職金で全額繰り上げ返済してしまうのが後者です。

諸先輩の経験談を聞く限りでは、後者をお勧めします。退職金が転がり込むと、海外旅行に行きたくなったり、お金のかかる趣味を始めたくなったりします。
結婚したお子さんから、やれお孫さんの私立への入学にお金がかかる、やれマンションの頭金を助けて欲しい、などと頼み込まれるケースも多いようです。

下手にあてにされるぐらいなら、さっさと住宅ローンを返済しておいた方が正解ですよ。その上で余裕があれば、助けてあげるかどうかを考えましょう。

繰り上げ返済のタイプと生活設計

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繰り上げ返済には、期間短縮型と返済減額型の2つのタイプがあります。

期間短縮型は、月々の返済額は変えないで、繰り上げ返済をした分、返済期間が短くなるタイプです。

返済減額型は、返済期間はそのままで、繰り上げ返済した分、月々の返済額が減額されるタイプです。

期間短縮型のメリットは、返済減額型と比べて返済総額をより大きく減らせることにあります。ただし、いったん返済期間を短縮してしまうと、この先にお子さんの教育費負担がかかったようなとき、お子さんの事情などで奥さんが働けなくなったようなときに、再度返済期間を延長することはできません。

返済減額型の場合は、期間短縮型と比べれば返済総額はそこまで減りません。一方で毎月の返済額が減額されるので、余裕があれば減額分を貯金しておくこともできます。そうして溜まった分を、時機を見て新たに繰り上げ返済に充てることも、お子さんの教育費に充てることも可能です。

どちらを選択すべきかは、金利動向にもよります。金利が高ければ、期間短縮型のメリットは大きいですが、現在の超低金利を考えると、個人的には返済減額型の方がメリットが大きいと考えます。

まとめ

繰り上げ返済は、早めにすればするほど、返済総額を減らすことができます。

まとまったお金が入った時、繰り上げ返済に充てるか、貯金しておくかは、将来のイベント出費(お子様の教育費等)等の生活設計を含めて判断すべきです。将来の金利上昇リスクも、それほど大きいとは考えられません。

ただし、定年後は収入が激減するので、退職金を一括繰り上げ返済に充てるのが得策です。現金で残しておいたら、無駄に使ってしまいます。

繰り上げ返済には、期間短縮型と返済減額型の2つのタイプがあります。期間短縮型の方が返済総額をより大きく減らすことができますが、現在の金利水準を考えると、その効果はさほど大きくありません。

返済減額型の方なら、将来のイベント出費に備えて減額分を貯金することもできますし、仮に余裕があれば繰り上げ返済を追加することもできます。

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ライター紹介

小野みさ代

小野みさ代

株式会社One's Brain 代表
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