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受給資格が10年に短縮!年金はいつからもらえるの?その額は?

「年金の加入期間が10年に短縮になりました!」といわれても、「何のこと?」という方も多いでしょう。

ところでみなさん、学校を卒業してからずっと定職に就かれていますか?そうでない方は、まさにこの話の当事者です。

学校をを出てからずっと定職に就いているような人には、直接この話は関係ないかもしれません。しかしこの受給資格が10年に短縮されたウラには、所得格差の拡大や保険料未払の蔓延、無年金者や生活保護の急増、といった社会のひずみが横たわっているのです。

こうしたひずみは、やがて年金の仕組みそのものに打撃を与えます。誰しも他人事ではないのです。

今回は、厚生年金や国民年金といった年金、年金の収入源である保険料、受給資格といった年金制度の仕組みを基本に、なぜ受給資格が10年に短縮されたのか、何が変わるのかについて説明します。
そして、これから年金制度は、そして私たちの老後はどうなっていくのかについても触れたいと思います。

自営業者・非正規社員の国民年金とサラリーマンの厚生年金

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公的年金は、以下の3つに区分され、20歳以上60歳未満であれば、いずれかの保険に加入しなければいけません。

自営業者・非正規社員など(第一号被保険者)が加入する国民年金
サラリーマン(第二号被保険者)が加入する厚生年金
公務員(第二号被保険者)が加入する共済年金

ちなみにサラリーマン・公務員に扶養されている専業主婦は第三号被保険者と呼ばれ、保険料をご主人が立て替えていることになっています。

これを皆保険制度とよびます。世代間扶助といって、働く人たちの保険料によって高齢者の生活を年金によって支えようという仕組みです。
よく誤解されますが、公的年金は、保険会社の私的年金などのように自分が積み立てた保険料が年金として支給されるわけではないのです。

国民年金の保険料は一律で決まっている

サラリーマンや公務員の場合、報酬比例と言って収入が倍に増えれば倍に増えます。ちなみに月給40万円なら保険料は約7万円で、従業員本人と勤め先が半分ずつ負担します。

これに対して、自営業者や非正規社員の保険料は定額で、収入が多かろうと少なかろうと毎月15590円です。これは、自営業者などは収入を正確に把握することが難しいからだと言われています。ちなみに雇い主が保険料を負担する必要はありません。あくまで自己負担です。

また、サラリーマンは厚生年金と同時に国民年金にも加入しているとされ、これを「2階建て」と呼んでいます。この2階建て制度は今から約30年前に創設されたのですが、その前は厚生年金と国民年金は完全に分かれた仕組みでした。なぜ2階建てなどというややこしい制度を入れたのでしょうか。

国民年金の加入者は低所得者も多く、とても単体ではやっていけないため、不足分は厚生年金からお金を回しています。そのお金を回す一種の口実が2階建て制度です。厚生年金・共済年金の収入50兆円のうち、なんと国民年金へ20兆円が拠出されています。

そんな財政的に厳しい国民年金ですが、最近では未納率の増加が追い打ちをかけています。

6割が国民年金の保険料を払っていない!

2015年時点で、国民年金の保険料の納付率は約60%です。なんと10人に4人が保険料を支払っていません。しかも、この他に生活保護を受けているなどの理由で保険料を免除・猶予されている人が20%おり、これを加えると、なんと10人に6人が保険料を支払っていないことになります。

とくに若年層(25-29歳)に至っては、10人に7人が未納という状態です。

こうして保険料を払わない人は、やがて高齢期を迎えても、年金を受け取ることができません。その結果、生活保護を受給することになります。生活保護受給世帯のうち約半数の80万世帯が65歳以上であり、そのうち無年金者は42万世帯に達しています。

このまま未納問題を放置しておくと、生活保護世帯が増え続け、国の社会保障費を圧迫します。こうしたお金は、サラリーマンを含む国民の税金が負担することになるのです。

未納を続けていると財産を差し押さえられる

日本年金機構も手をこまねいているわけではありません、一時期はかなり強硬に徴収を進めていました。未納のまま放っておくと督促状が届きます。それを無視していると自宅や、場合によっては勤め先にも電話がかかってきます。それでも払わないでいると、内容証明郵便で給料などを差し押さえるなどの強硬措置に出ます。

実際に督促状は1年間に5万件が送付され、さらに差し押さえ件数は1万5千件にも及んでいます。

しかも、直接お役所が手を下すのではなく、民間業者に委託されるケースが多いようです。彼らは回収がインセンティブなのでかなりしつこいです。一緒に暮らしている家族から回収しようとするケースもあるほどです。この民間委託をお役所では「市場化テスト」と呼び、さらに拡大して納付率を向上させる腹づもりです。

2015年5月に日本年金機構の年金情報管理システムがサイバー攻撃され、年金加入者の氏名と基礎年金番号、生年月日、住所が流出しました。この事件で強制徴収業務が約半年間停滞しましたが、2016年度には正常化しています。

こうした努力を続けた結果、最近では多少は納付率が向上ししつつあります。

強制徴収はムチ、受給資格の短縮はアメ

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政府はこうした強制徴収のような北風を吹かせる一方で、受給資格の短縮という太陽で、納付率を向上させようとしています。
年金未納が増えた原因には、以下の3つがあると言われています。

・国民年金の加入者に占める非正規労働者の割合が3割近くに達したこと
・国民年金加入者の所得水準が低下し続けていること
・国の年金制度に不安感・不信感があるので払わない(未納者の15%がその理由として挙げている)

とくに3番目の不安感の一つに受給資格の問題があります。国民年金は、通算で25年間保険料を払い続けないと、65歳になって年金を受け取ることができないのです。

払ってない人にしてみれば「25年間も払い続けることはできないから、未納のままなんとか逃げ切ろう」との心理が働きます。それが短縮されれば、「10年なら、なんとか払い続けられるかな」と思えるわけです。

年金制度が抱える問題はそれだけではありませんが、少しでも不安感をぬぐえるよう、受給資格を短縮するのです。

いつから受け取ることができるのか

受給資格の短縮により、現在の無年金者のうち64万人が、新たに年金を受け取ることができるようになります。また、この改定に伴い必要な予算措置は年間600億円を超えます。
この改正法は、2016年11月に参院で可決され、2016年8月より施行、9月分から受給権が発生し、10月13日には第一回が振り込まれる見通しです。

具体的な手続きは、以下の流れに沿って進めます

日本年金機構は、短縮で受給資格が生じる対象者に2017年2月末から7月にかけて順次年金請求書を送付します。

請求書を受け取った対象者は、住民票・戸籍謄本などを添付して、年金事務所または年金センターで年金の受給を請求します。代理人に申請を依頼する場合は、委任状が必要です。その他、郵送による提出も可能です。

改正法の施行後に、日本年金機構から年金証書が送られてきます。

仮に手続きが遅れたとしても、2017年9月以降の年金受給権は消滅しません。請求すれば遡って受け取ることができます。

いくら貰えるのか

では、一体いくら年金を受け取ることができるのでしょうか?
国民年金の受給水準は低く、65歳以上で受け取れる老齢基礎年金は、満額で約78万円、月額で6.5万円です。満額は保険料を40年間払い続けて受け取れる金額で、払込期間が20年なら半分の39万円、月額で3.2万円です。払込期間が10年間ならさらに半分の19万円、月額で1.6万円です。

これではとても暮らしていくことはできませんが、生活の足しにはなるはずです。

ちなみに、過去の分はさかのぼって申請することはできません。

保険料を払えなかった期間も払込期間の10年に通算できる?

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失業や病気などで働くことができない場合、月々15000円の保険料を払うのは大変です。そうしたケースでは、申請すれば保険料の免除が認められます。免除は全額、半額、または1/4の3種類です。

ちなみに全額免除は、家族4人の場合は、所得額162万円以下だと認められます。

では、保険料の免除を受けるのと、未納のままでスルーするのと何が違うのでしょうか?

ここまでで説明してきたように、国民年金の受給資格期間は10年です。未納期間は当然受給資格期間にカウントされませんが、免除されている期間は、1/2まで受給資格期間にカウントされるのです。

老齢年金の満額は78万円ですが、仮に40年間免除で通したら、1円も保険料を納付していないのにも関わらず、なんと半額の39万年の年金を受け取ることができます。

さらに、免除されている期間も、保険料の1/2は払い込んだものとみなされ(国庫が負担します)、将来の年金額に反映されます。

更に免除期間中に事故で障害を負ったり死亡した場合は、受給資格期間に係りなく、障害年金や遺族年金を受け取ることができます(遺族年金を本人が受取ることはできませんよ。ご遺族です、あくまでも)。

免除の他、保険料の納付猶予制度があります。失業などで一時的に保険料が払い込めない場合、一時的に払い込みをストップし、後で納付させてもらう制度です。2016年の7月以降は50歳未満が猶予の対象となります。

免除や猶予は市町村の国民年金窓口に、年金手帳や失業を証明する書類(雇用保険被保険者証など)、所得を証明する書類を添付して申請します。

最後に-年金制度は大丈夫か?

ここまで、年金制度の仕組み、非正規社員の増加などを背景とした保険料未納問題と解決策としての受給資格期間短縮、改正によりいつからいくらもらえるかについて解説しました。

さて、受給資格短縮で、年金未納問題は解決できるのでしょうか?ひいては少子高齢化を迎えて、年金は今の給付水準を維持できるのでしょうか?

年金未納問題は、当局の「逃げ得を許さない」徴収姿勢や受給資格期間の短縮が功を奏し、今後の改善が期待できます。

ただし、少子高齢化への対応は、年金未納問題だけではとても足りません。

例えば、非正規社員の国民年金から、厚生年金へのシフトです。シフトにより、雇い主にも保険料の半分を負担させることができます。

現在パート.派遣などの非正規社員は、週30時間以下の勤務なら国民年金、30時間を超えたら厚生年金に加入していました。2016年にはこの基準が週20時間に切り下げられました。従業員500人以下の中小企業はとりあえず免除されていますが、3年後には全面的に施行されます。

また、現在定額制の見直しも重要な課題です。現在は薄給派遣社員も売れっ子ホステスも、超有名芸能人も、みんな一律15990円です。マイナンバー制度導入で所得の補足も容易になるのに合わせ定率制に見直すべきとの意見もありますが、議論は進んでいません。

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ライター紹介

小野みさ代

小野みさ代

株式会社One's Brain 代表
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