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安全志向だからだけではない!日本人が投資アレルギーな理由 

日本人の個人金融資産は、現在1752兆円にまで達しています。一人当たりにすると平均1700万円強、より平均像に近い中央値でも1000万円強です。そしてその8割以上が銀行預金と年金保険などの安全資産です。

働き方でいえば、50代前半男性の平均勤続年数は23年です、これは、多くの男性が、新卒以来一つの会社で勤め上げていることを如実に示しています。終身雇用が崩壊したと叫ばれて久しいですが、統計数値面からは裏付けが取れないという訳です。

持ち家の比率も、ここ30年間、ずっと6割を維持しています。持ち家比率は、30代からぐっと上がり始め、50代では7割に達しています。

以上の点から、日本人は真面目に定年まで勤めあげ、コツコツと安全な銀行預金で貯蓄を続け、マイホームでささやかな幸せをつかむ、というステレオタイプが出来上がりました。

だから投資に対しては、ギャンブルと同一視して毛嫌いするという訳です。そんな真面目な日本人だから、社会のルール・マナーをきちんと守る高潔さも兼ね備えているという人もいます。

これって全部本当のことでしょうか?たとえ本当だとして、いつから、なぜそうなったのでしょうか?

日本人の貯蓄好きは昔から?


欧米主要国と比べた場合、日本人の働く世代の貯蓄率(わかりやすく説明すると、手取りの給料のうち何割を貯蓄に回したかを示す比率)は、フランスに次いで第2位で、イギリス・ドイツ・アメリカを上回っています。

この貯蓄率、お年寄りが増えた影響で、ここ20年どんどん下がってきています。それでも、年齢別にみると、サラリーマン世代の貯蓄率は、年収が低下傾向を続けてきたここ20年でも下がっていません。20代といった若い世代でも高い水準を維持しています。

これだけ見ても、日本人の貯蓄好きは間違いなさそうです。ではなぜ、日本人は貯蓄好きなんでしょうか。というよりも、いつから貯蓄好きになったのでしょうか。

戦後から本格化する貯蓄好き

およそ70年前、日本は、朝鮮戦争が生んだ思わぬ好景気をバネに、太平洋戦争の荒廃から本格的に立ち直り始めました。さまざまな企業は工場や製鉄所をどんどん建設するための資金を、銀行融資に求めたのです。最近の中国のような感じです。

銀行が融資をスムーズに増やすためには、積極的に預金を集めていかなければなりません。「華麗なる一族」という、昭和30年代・40年代の銀行を舞台とした映画の中で、銀行同士が激しい預金獲得競争を繰り返し、支店長が過労死するなんてシーンが出てきました。それほど預金集めは切実な問題だったのです

産業はどんどん復興し、経済が倍々ゲームで伸びていく中で、働く人たちも収入が増え、貯蓄に励むようになったのです。

しかし、日本人の貯蓄好きは、戦前からの傾向だったようです。今よりもずっと貧しい1930年代でさえ、戦後とそん色ない貯蓄率を示しています。僅かな収入からせっせと貯蓄していたんですね。

日本人は投資はせず、ただひたすら無目的に貯蓄している

日本人、アメリカ人、中国人のビジネスマンに対し貯蓄や投資に関する意識を調査した結果によると、日本人は、
「自分の人生設計を全く描いていない」との回答が約4割
「自分の将来が今より良くなるとは期待していない」との回答も4割
と、他の国より圧倒的に多いことがわかっています。

また貯蓄の目的も、「さしたる目的はないが将来が心配だから」との回答が7割以上に達しています。

ここからは、人生設計も持たずに、ただ自分の将来が不安だからといった消極的な理由でひたすら貯蓄を続けている日本人の姿が浮かび上がります。

そんな日本人なので、「少しでも有利な運用を自分で考えなければいけない投資」に対しても前向きではなく、「投資を行っている層」の割合は3割と、中国の8割やアメリカの5割以上を大きく下回っています。

日本人の投資アレルギーにも理由がある

こつこつと真面目に働き貯蓄に精は出すけれど、主体性に乏しくて人生に確固としたビジョンも描けず、投資のようなリスクにはチャレンジしない日本人、でもそうなったのは自分たちにすべて責任があるのでしょうか?

確かに投資は貯蓄とは違って、損をするリスクはあります。それは仕方のないことです。では、「損をするのが怖いから」というだけで我々は投資を敬遠してきたのでしょうか?どうやらこれには他に理由がありそうです。

日本人の投資アレルギーがここまで強いのは、証券業界や取引相場が今まであまりにも個人投資家の方を向いてこなかった、ないがしろにしてきたことが災いしているように思えてならないのです。

戦後の証券市場は鉄火場


戦後、政府は、国による規制金利、銀行と証券の分離や、預金保険機構の設立など、間接金融を支える銀行が安定した活動を行えるよう、何くれとなく支援してきました。銀行には国民のお金が銀行に集まるよう、「国土建設郵便貯金特別増強運動」なんてキャンペーンも展開したぐらいです。

そんなわけで、銀行や銀行員に対する信頼感だけでなく、社会的なステータスも戦前以上に高まります。

一方で直接金融を支える証券市場は、戦前と同じく、相変わらず「鉄火場」と呼ばれていました。鉄火場とは、鉄を打つ作業場と同じように、火花が散りあう賭場のことをそう呼びます。

鉄火場なら、場を仕切る胴元がおり、いかさまの禁止など一定のルールを守らせていました。

ルール無用-昭和の証券市場

ところが証券市場の方は、まともなルールが整っておらず、胴元の総元締めであるべき東京証券取引所の立場も弱く、最低限のルールも守らせることができませんでした。

市場には、相場師や仕手筋と呼ばれる、一獲千金を狙ったギャンブラーが跳梁跋扈していました。買占めや株価操縦、風説の流布などは当たり前です。彼らに比べたら、ホリエモンや村上ファンド、アクティビストと呼ばれる海外投資ファンドも、品行方正なおぼっちゃまに過ぎません。

仕手戦の場合、売り方と買い方で戦いが繰り広げられ、300円だった株価が今日は500円、明日は200円と乱高下を繰り返します。では、市場をコントロールすべき胴元である証券会社は何をしていたのでしょう。なんと、大手証券会社同士が売り方、買い方に分かれ、正面切ってぶつかり合っていたのです。

逆の味方をすれば、相場師が、多くの証券会社を立ち上げていたとも言えます。

ある意味でエネルギーと侠気にあふれ関心を惹かれる世界ですが、サラリーマンが資産運用してみようという場所ではありません。

上場企業もやりたい放題

株式の発行体である上場企業もいい加減でした。昭和のころの経営者は「業績を投資家にきちんと説明する」といった思想は全くなく、まずいことはなるべく隠して、経営にはなるべく口出しさせないスタンスを打ち出していました。投資家にしてみれば、そんな会社の株なんておいそれと手を出せません。

業績悪化に陥った大手企業の中には、無理やり業績を良く見せようという輩も出てきます。早い話が粉飾決算です。当時の会計ルールでは、子会社に親会社の膿みを押し付けてしまえば、いくらでもお化粧することが可能だったのです。

粉飾決算の結果、突然のように倒産し、株券が紙切れになるケースも続出したのです。

粉飾までいかなくても、まずい話はなるべく表に出さないようひた隠しにする隠蔽体質は、どの会社も変わりありません。そうした話を嗅ぎまわった紫スーツの「総会屋」が大手を振って本社に出入りし、株主総会は、一升瓶が議長席に向かって投げ込まれるなど、「荒れる総会」が当たり前でした。

証券会社もいい加減

日本の経済成長が続く中で、東京証券取引所も、ニューヨークやロンドンシティに比肩するレベルに迫ってきました。その一方で、証券会社の「相場師の胴元」的な経営体質はあまり変わりません。

株への投資は自己責任であり、元本割れの可能性は当たり前の話です。ところがなんと、平成3年以前の証券取引法では、証券会社による、事後的な株価下落による損失穴埋めの禁止は、明文規定がありませんでした。

そんな中で大手証券会社の多くが、大企業など優良顧客の多くに損失を補てんしていたことが発覚したのです。そうした損失補てん額は総額で2000億円を超えました。

今も変わらぬ証券会社の営業姿勢


「そんなことは昔の話」と思うかも知れませんが、証券会社がすすめる顧客軽視の営業姿勢は今もそんなに変わりません。

投資信託を例に取り上げます。

投信商品は投資信託委託会社が設計していますが、日本の場合、これらの会社の多くは、投信を販売する販売会社・信託銀行の子会社で、幹部社員の殆ども親会社より出向しています。

そうすると何が起きるかというと、証券会社が現場で儲かりやすい、手数料の高い投信商品ばかりが開発されます。運用は最初の1年間が勝負で、そこで上手くいかなければ新規の契約も見込めないので、その後はまともな運用もされません。そして営業ニーズにこたえて次々と新しい商品が開発され、その多くが短命で終わるのです。

貯蓄一本やりでも投資とは無縁でいられない

「私は安心な貯蓄一本だから大丈夫」とおっしゃる方、実はあなたも投資とは無縁ではないのです。あなたの勤め先を含む多くの上場企業は、社員の将来の退職金を運用するために企業年金基金を設立しています。企業年金基金は、将来必要な退職金を稼ぎ出すために、その多くを株式や海外資産で運用しています。

老後の公的年金も同じです。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が株式や投信への運用比率を増やし続け、経済誌などでも話題になっています。

つまり私たちの退職金や年金の運命は、株式市場に委ねられているのです。

最後に-ひとりひとりが投資に参加しよう

日本人が投資アレルギーである理由について考えてみました。ではこれから何をしていけばよいのでしょう。

これは個人的な意見ですが、投資とのかかわりが避けられないとすると、むしろ私たちサラリーマンが積極的に投資の世界に参加して、顧客としての声を発し続けることではないかと思います。

退職金の運用も、確定拠出年金の普及で、一人一人に委ねられるようになってきました。車や家電と同じように、顧客がニーズを発信すれば、やがては投資商品や営業方針に跳ね返ってくるでしょう。

最後に、マナーを守る国民性について、考えてみました。煙草のポイ捨ては当たり前、列車の中でもみんなプカプカ、駅弁のガラは座席の下に押し込む。今の中国の話?いえいえ、50年前の日本の見慣れた風景です。

50年でようやく日本の町並みはきれいになったのです。投資の世界も、個人投資家が参加することできれいな街並みになってゆけば良いな、そんな考えは甘いでしょうか。

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ライター紹介

by マネーの神様編集部

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ファイナンシャルプランナー、不動産投資家、起業家、トレーダー、ネットビジネス会社経営者、行政書士等が集まる、ちょっと不思議で多くの面白い情報が飛び交う編集部です。

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