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持ち家購入のタイミングはいつがベスト?時期による損得を検証します!

「持ち家購入のタイミングはいつが良いか?」

昔は、職場で先輩たちに聞いても、親や兄弟の相談しても、答えは決まっていました。

「最低でも、購入資金の2割以上貯金ができてから。そして、できるだけ早めに多くの自己資金を用意しておくこと」

かつて、郵便貯金の利回りは10年物定期で10%を超えていました。貯金のメリットは高かったのです。一方で住宅ローン金利は8.5%の水準に達していました。3000万円ローンを組んだら、返済額は倍以上の7500万円です。つまり極力頭金を貯めて、返済額を抑えるのが理にかなっていました。

また銀行の融資限度額は、担保となる住宅の掛け目(取引価格の8割前後)と相場が決まっていたので、どうしても2割以上の頭金は必要でした。

なので、世のご夫婦は、どうしても早く一軒家に住みたくて、夕食の献立を工夫したり、お風呂のお湯を減らしたりと、爪に火をともしてせっせと頭金を貯めていたのです。


今や頭金は必ずしもマストでない


さて、現在はどうでしょう?
せっせと預金を続けても、定期預金の利率は、キャンペーン金利でも最高で0.25%程度です。かつての10%を超える水準とは比べ物になりません。1000万円貯めても、1年で2.5万円の利息しか受取れないのです。

日銀のマイナス金利政策の恩恵も受け、住宅ローン金利は、保証料を考慮しなければ0.7%を切る水準です(最近保証料を無料にする金融機関も登場しています)。この先どうなるかはわかりませんが、かつての金利水準に戻ることはないでしょう。

しかも最近では、金融機関も法人相手の貸し出しが細っていることもあり、個人向けの融資に走っています。住宅ローンの貸し出し条件は日増しに緩くなり、フルローンと呼んで、借主の属性(勤務先、年収など)が高ければ、頭金なしで全額融資が受けられるケースも多いのです。

金利が高いからこそ、貯金で文字通り「利殖」して頭金を貯める意味があるのです。金利が高いからこそ、頭金が多い方が、ローンの金利負担も減らすことができるのです。

金利が0に近づいている現状では、利殖や金利負担の面で、頭金を先に貯めるメリットはなくなっているのです。


家賃を考えるとできるだけ早い方が得

マンション暮らしでも、ランニングコストはかかります。毎月管理費を支払わなければなりません。一軒家は毎月の管理費はかからない替わりに、外壁などの補修にはかなりの出費を伴います。
それでも借家暮らし(死後でしょうか?)の家賃や更新料に比べればずっと安いはずです。持ち家を手に入れれば、高い家賃を支払わずに済むのです。例えば3LDK家賃15万円の賃貸マンションから、同じ広さの分譲マンション(管理費3万円)に引っ越せば、年間で(15万円-3万円)×12か月=144万円節約できます。20年間で3000万円近くも収支がプラスになる計算です。

社宅に極端に安い家賃で暮らしている、あるいは勤め先から手厚い家賃補助が受けられる(転勤の多い企業はそうした福利厚生が充実しています)ケースを除く、出来るだけ早く持ち家を購入した方が、それだけ収支プラスの幅が大きくなるのです。低金利の時代には、できるだけ早く家を購入した方が、家賃面でも得なのです。


税金面でも持ち家購入は有利

税金面でも、持ち家購入はお得です。

政府や与党は、財界や・建設業界・金融界からの陳情もあり、「国民の安定した社会基盤構築の支援」を建前として、持ち家購入を促進するために、住宅ローンに関する優遇税制を拡充しています。

持ち家購入は、ハウスメーカー・マンション・電気ガス工事業者、内装器具メーカーなど潤いのすそ野が幅広く、経済波及効果が大きいのです。

「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」は、住宅ローンを組んだ場合、年末の融資残高に応じて、所得税が安くなる制度です。サラリーマンなら、年末調整の時に税金が還付されます。

税金が安くなるのは融資残高の1%、限度額は50万円(認定住宅等の場合)、優遇期間は10年間です。つまり、最高で50万円×10年間=500万円の所得税が還付されるのです。

ちなみに、この優遇は、何度でも受けることができます。例えば若いときに郊外の一軒家を購入し、子供の手が離れてから都内のマンションに住み替えるケースでも、適用を受けることができます。

ただし、多くの大手企業では定年は60歳、その後再雇用されても年収は大幅にダウンします。住宅ローン控除制度は、所得税を還付する仕組みですから、一定の年収を稼いでいて、所得税を納めていないと還付が受けられません。そうした意味では、還付を最大限享受するには、定年の10年前、50歳までには住み替えるければいけません。


子育ての面でも早い方がメリット大


これは、我が家の反省でもあります。我が家の場合、持ち家を購入したのは、子供たちがもう中学校に入ろうかという時期でした。引っ越した場所も違う県だったのです。

今でも、あのまま借家の近くで暮らしていたら、いや、もっと早く持ち家を購入していたらと悔やむことしきりです。

地元に根付くという意味で、その地の幼稚園・小学校でわが子が育つメリットは大きいのです。小さい子供がいるからこそ、近くの神社で開かれる縁日にも顔を出します。運動会で場所取りをし、シャカリキになってビデオ撮り(今はスマホでしょうか)するでしょう。

子供がサッカーの少年団に入ったら、日曜の朝早くから、レモンを切って、冷たいタオルを用意して応援に行くのです。例え子供はちょっとしか出場しなくても、です。

そうした過程を通じ、周囲とのネットワークも広がり、地元意識も育つのではないでしょうか。


家選びは結婚と似ている

家の購入は、結婚と似ています。

何歳くらいで結婚をすると目標をきめ、それまでに思想にかなった相手をみつけて無事ゴールインという人も中にはいるでしょう。

でも、結婚は全て計画的にことが運ぶわけではありません。偶然の出会いの要素も大きいのです。「この人と出会ったのは運命だ、すぐにでも結婚したい」と、前頭葉にある内側眼窩前頭野からドーパミンをバンバン出しまくってゴールインという人も少なくないでしょう(その状態が長続きするかはケースバイケースでしょうが)。

ちなみに、この恋愛感情は、認知能力(分別のある姿勢的な判断)でコントロールすることは不可能で、ほぼ本能的な反射に近いと言われています。

家探しも同じです。住んでいるアパート近くを散歩していて、偶然見かけたタイル貼りの分譲住宅が気に入ってどうしようもなくなることだってあるのです。

奥さんが買い物中に、スーパーの本屋でぱらぱらとめくった雑誌を読んで、「オーダーメードの家を建てて湘南ライフを満喫したい!今すぐにでも引っ越したい」と熱病に浮かされるのです。本能的な感情ですから、抑えようがありません。

家探しは出会いです。「これだ!」と思った時が一番の購入のタイミング、という考えは間違いではないでしょう。誰だって思い入れの強い家で暮らした方が幸せだと思いませんか?


リストラ・給与カットのリスクは借家も同じ

リストラされた、そこまでいかなくても給与をカットされた、共働きの奥さんが子育ての関係で専業主婦に、といった事情で住宅ローンの返済が滞るというのはよくある話です。最悪の場合は保証会社に債権が移行し、競売や任意売却という事態に陥りかねません。だから、持ち家購入は慎重にというコメントはよく耳にします。

しかし、このリスクは、程度の差こそあれ、賃貸マンションやアパートで暮らしていても抱えています。

医療機器のセールスマンが事業に失敗し、家賃の支払いが滞る。ある日アパートに戻ると、家財道具一式が外に放り出されている。ウイルスミス・ジェイデンスミス親子共演の映画The Pursuit of Happiness(幸せのちから)の1シーン、ご記憶の方も多いでしょう。

日本の場合、家賃の滞納による立ち退き強制は、裁判所の許諾を得ての法的手続きを経ない限り執行できません。それでも家賃を払い続けなければ、やがては居づらくなるのは変わりありません。


返済プランは慎重に


リスクは借家も同じとは言っても、分不相応な持ち家購入は、後で悲劇を招きます。
ハウスメーカーやマンションのデベロッパーはなるべく高い物件を販売したい、銀行の担当者もできるだけ成績を上げたいということで、住宅ローンの審査は甘くなりがちです。

最近の傾向として、金融機関の返済負担率上限は、年収500万円の場合で35%(175万円)前後と言われています。金利負担を考えても、35年ローンで5000万円以上の物件が購入可能です。それにしても、毎年175万円も返済できるでしょうか。

年収500万円(子供2人で専業主婦世帯)の場合、所得税・住民税や社会保険料を差し引いた可処分所得は、380万円前後です。そこから住宅ローン返済175万円を差し引くと、残りは200万円ちょっと、月平均約17万円です。

日常生活だけでなく、お子さんの習い事や遠足といった教育費も馬鹿になりません。たまには家族で旅行も行きたいでしょう。

ちなみに人事院発表が公表した、平成27年度の家族4人の標準生計費(食費・住居費・教養娯楽費等)は21.5万円です。つまり、17万円では、「世間並み」を相当下回る、かつかつの生活を続けなくてはいけないのです。

「そのうち年収も上がるから」と、無理にローンを組むのは危険です。どこの企業も年功型の給与体系を見直しており、年齢が上がれば年収も増えるといった従来の方程式をこの先あてにはできません。


最後に-土地神話の崩壊と持ち家購入

結局のところ、「持ち家購入のタイミングは、無理のない返済の範囲であれば、早ければ早いほど良い」ことになります。
ただし、「持ち家購入代金の多くを占める土地価格が今後も変わらない、少なくとも大きくは下がらない」ことが前提です。

もともと持ち家信仰は、高度経済成長の下で、みんなの所得が増え続け、土地の値段が上がり続ける「土地神話」とセットで広まりました。すでに所得は増えず、三大都市圏以外の地価は長期低落から抜け出せません。

特に人口が減っていく郊外や地方都市の住宅は心配です。最近、札幌市・北九州市・豊橋市などでは、将来の人口減少を見据えて、都市機能を中心部に集める「コンパクトシティー」計画が進んでいます。郊外の持ち家は、コンパクトシティーの圏外に置かれる可能性も高く、そうなると地価の下落に拍車がかかりかねないのです。


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ライター紹介

小野みさ代

小野みさ代

株式会社One's Brain 代表
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