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住宅購入時の頼みの綱!親からの援助と贈与税の優遇制度

2017/06/02 家計・節約 贈与
この記事は約 9 分で読めます。

昔のバラエティー番組では、よく親孝行の芸能人の美談として、ご両親への豪邸プレゼントが紹介されていました。今やそういう時代ではないのか、あまりテレビでは見かけません。調べてみると、美人モデルと結婚したイケメン俳優さん、おバカキャラで人気のタレントさんとか、今でも家をプレゼントする有名人は多いようですね。

我々サラリーマンは、そうはいきません。自分の家を手に入れるだけでもアップアップです。できたら親に頼りたいのがホンネですが、我が家の場合は残念ながら全く当てにできません。みなさんのご両親はいかがですか?・・・あっ、そうですか、それは羨ましい限りです。

実はそんな羨ましいみなさんに朗報です。国は手厚く税金をおまけしてくれるのです。所詮、世の中は不公平にできているんですね。

今回は、親から住宅購入時に援助を受けた場合の、贈与税の優遇措置について解説します。


経済援助には贈与税がかかる


ご両親が亡くなって遺産を相続する時は相続税、生前に経済援助を受ける場合には、贈与税がかかります。

なぜ相続税・贈与税がかかるのでしょうか?世界には、スイス・香港・シンガポール・中国など、相続税も贈与税もない国が数多くあります。こうした国では、金持ちの財産はそのまま、その子、その孫に引き継がれ、更に膨れ上がり、貧富の差が際限なく拡大します。

多額の遺産に相続税を課すことで、富の集中を少しでも抑えることができ、再分配を促します。すると、「それなら、生前に財産を渡してしまおう」という輩が出てきます(実際、18世紀までのイギリス貴族にとっては、財産継承の常とう手段でした)。そうした不正を防止するために、贈与税が設けられているのです。

そんな贈与税ですが、教育や持ち家取得など、目的がはっきりしていて社会的にも意義のある贈与に対しては、贈与税の優遇措置が適用されます。

「持ち家取得は、国民の生活基盤安定に資する」というのが優遇措置のうたい文句ですが、実際は住宅建設による景気対策がホンネと言われています。一軒家やマンション建築により、不動産業者、工務店、水道・ガス・電気工事業者など多くの会社が潤うのです。


住宅購入で経済援助を受けた場合の贈与税の優遇

住宅購入で経済援助を受けた場合の贈与税の優遇といっても、さまざまな場合があります。資金を出してもらう場合もあるでしょう。

家を建ててもらう場合も考えられますし、同居・別居によっても優遇措置が変わってきます。、

今回は、住宅購入で経済援助を受けた場合の贈与税の優遇について、3つのケースに分けて解説します。

住宅購入資金をご両親から贈与された場合の、

①贈与税の免除を選ぶケース
②遺産相続時までの贈与税の猶予を選ぶケース(贈与税の免除との併用も可)

住宅を建ててもらい、
③二世帯住宅にご両親と一緒に暮らす、または子供夫婦が新居で暮らすケース


住宅購入資金の援助を受けた場合に贈与税の免除を受けるケース


ご両親など住宅取得資金の援助を受けた場合には、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けることができます。

この制度は、みなさん又はみなさんの奥様(ご主人)が、直系尊属から住宅取得等に充てる資金の贈与を受けた場合に、贈与された金額のうち700万円まではその年分の贈与税が非課税となる優遇措置です。

みなさん又はみなさんの奥様(ご主人)
贈与税は、世帯単位ではなく、あくまで個人単位で課税されます。つまり、ご夫婦がそれぞれのご両親から住宅資金700万円ずつの贈与を受ければ、合計で1,400万円が非課税になります。

贈与を受ける人の主な条件は、20歳以上であること、その年分の合計所得金額(年収ではありません、源泉徴収票か確定申告書で確認できます)が2000万円以下であることの2つです。余りに若すぎるのに持ち家に住むのも社会常識とずれているし、お金持ちなら税金は優遇しませんよ、という訳です。

直系尊属
直系尊属には、ご自身の父母だけではなく、祖父母も含まれます。理屈的には曾祖父も含まれますが、現実的にはあり得ないでしょう。

義理のご両親からご自身への贈与に対しては適用を受けることができません。

養子縁組をした場合における養父母からの贈与に対しては、適用が認められます。

住宅
住宅は、床面積が50㎡以上で240㎡以下の物件に限られます。

50㎡といえば2DKや1LDの住宅でかなり手狭な部類です。逆に240㎡といえば、マンションなら4LDKでリビングダイニングの広さが150㎡といった感じです(標準的な3LDKが2室丸ごと入る広さ!)。セレブがパーティーを開くような広さで、家族4-5人が暮らす標準的な住まいとは呼べません。

アパート兼住宅や、店舗兼住宅でも適用を受けることができます。ただし、住宅部分の床面積が1/2であることが求められます。

省エネ等住宅として認定を受けた住宅なら、1200万円までの非課税が認められます。省エネ住宅とは、断熱性が優れてガス・電気などの消費効率が高いこと、耐震や免震構造であること、バリアフリーなど高齢者に配慮していることなど一定の基準を満たした住宅で、審査機関が発行する性能証明書が必要です。

審査の申請は個人では難しいので、購入・新築前にハウスメーカーやマンション販売業者に確認することをおすすめします。ちなみに、今はやりのローコスト住宅では、まず認められません。

取得等
新築でなくても適用を受けれますが、中古住宅の場合は、築年数や耐震性について一定の基準を満たすことが求められます(木造なら築20年以下、耐火建築物なら築25年以下が原則)。

ご親族などが不動産業者や建築業者で、物件の購入や新築にかかわっている場合には、適用を認められない場合があります。

住宅の取得だけでなく、増改築でも100万円以上なら適用を受けることができます。


住宅購入資金の援助を受けた場合に贈与税の猶予を受けるケース

住宅取得資金の援助を受けた場合には、贈与税の猶予、つまり遺産相続の時期までの課税の先延ばしを選択することもできます。この場合には、遺産相続時に、贈与税ではなく相続税が課されます。

「それなら免除を選んだ方が得じゃん」と考える方も多いでしょう。ところが援助を受けた金額によっては、猶予を選んだ方が得な場合もあるのです。

猶予の制度は、「相続時精算課税選択の特例」と呼びます。

この特例を選ぶと、ご両親から住宅取得資金の贈与を受けた場合に、課税を2500万まで猶予することができます。しかも、住宅取得資金の非課税の特例と併用して適用を受けることができるのです。ちなみに適用条件は、非課税の特例の場合とほぼ同じです。


贈与税の免除と猶予を併用する具体例


たとえば、両方の制度を活用すれば、(省エネ等住宅以外で)免除700万円+猶予2500万円=3200万円までの贈与なら、その年分の贈与税税額はゼロになります。

ちなみに猶予の適用を受けないで2500万円に贈与税が課されると、税額が(2500万円-基礎控除額110万円)×45%-265万円=約810万円に達します。国は生前贈与を積極的に進めているわけではないので、基礎控除は低く税率は高いのです。

遺産相続時にはこの分の相続税が課されますが、相続税は贈与税よりはるかに基礎控除額も税率も納税者有利です。仮に相続人があなたたった一人でも、基礎控除額は3000万円+600万円×1(法定相続人の数)=3600万円なので、他に遺産が無ければ、3600万円>2500万円なので相続税は課されません。


二世帯住宅にご両親と一緒に暮らす、または子供夫婦が新居で暮らすケース

住宅を丸ごとご両親に新築してもらうケースもあるでしょう。ただし、この場合の住宅の名義は、一般的にはご両親です(名義を子供夫婦にすると、贈与税がかかるケースが多いので)。

地代・家賃はとくにやり取りする必要はありません(これは「使用貸借契約」といって、「賃貸契約」とは異なり、無償での住宅仕様が民法で認められています)。一般的には、固定資産税相当分程度をご両親に支払うケースが多いようです。

ご両親が健在のうちは、贈与税は課税されません(住宅の所有権が移転していないので)。ご両親が亡くなった時点で相続税が課税されます。

二世帯住宅の場合は、税金の優遇が認められるケースもあります。具体的には「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」により「特定居住用宅地等」として認められれば、敷地面積240㎡までの部分の課税価格は、なんと80%も減額されるのです。

例えば宅地(敷地面積240㎡)の評価額が1億円の場合、そのままだと基礎控除額(法定相続人が1人で3600万円)を楽々超えてしまいます。一方で、特定居住用宅地として特例が認められれば、評価額は1億円-1億円×80%=2000万円となり、基礎控除額の範囲に収まります。


特例が認められる条件は厳しい


では、特例が認められる条件を考えてみましょう。例えば二世帯住宅で、1階にご両親、2階にご自身が暮らしていたケースで考えます。
〇1階と2階で行き来できない構造の住宅であること
(ただし、日常的に食事を共にしているケースでは、行き来できる構造でもOKになることもあり)
〇1階も2階もご両親の名義で一体の建物として登記されていること
(2階部分の建築費をご自身が負担し、別々に登記した場合は、認められません)

いずれの条件も満たす場合は、敷地全体に80%の評価減が認められます。

ちなみに、ご両親と別々に暮らしていた場合には、残念ながら適用を受けることはできません。


最後に-争続には気をつけて

住宅購入や新築にあたり、ご両親から援助を受ける場合の贈与税(とその後の相続税)の優遇制度について紹介してきました。

ところで、ご両親から住宅取得で援助を受けた方、税金以上に気を使わなければいけない、それはご兄弟たちです。とくに二世帯住宅を建てた場合は、要注意です。

相続財産に占める土地の割合は、半数に達しています。ご両親が普通のサラリーマンで、二代・三代前から都内の一等地に一軒家を構えている場合には、土地が遺産の大半を占めるケースも多いことと思います。つまり、持ち家以外に分ける財産が無い訳です。

その土地をあなたが独り占めしたら、ご兄弟たちはどう思うでしょう。
「僕たち兄弟はみんな仲が良いから」
最初から仲の悪い兄弟の方がレアケースです。仲が良くても、金が絡めば揉めるのです。ご兄弟たちには、土地に替わる金銭を要求する権利があるのです。

二世帯住宅を建てるときには、そんな将来を見据えたうえで資金対策を立てる、兄弟で相談しておくといった配慮が欠かせません。


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ライター紹介

小野みさ代

小野みさ代

株式会社One's Brain 代表
【詳細はコチラ】
株式会社One's Brain 事業内容

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