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個人事業主・フリーランスの上手な確定申告と必要経費の範囲

サラリーマンが確定申告するのは、マイホームを手に入れて住宅ローンを借りたときぐらいでしょうか。あと医療費控除やふるさと納税でも確定申告する方も多いでしょう。

サラリーマンの税金は、勤め先が全部計算して税務署におさめてくれます。確定申告はレアケースです。

ところが、個人事業主やフリーランスとなると、そうはいきません。自分で納税額を計算して税務署に確定申告し、期日までに納付しなければなりません。

正しく帳簿をつけて、ややこしい税金のルールと格闘しながらも、納める税金はルールの許す範囲で極力低く抑えたいものです。そして、ルールの中でとくに大切なのが、「支払った経費のうち、どこまでが必要経費に算入できるか」です。


シカゴのマフィア アルカポネはなぜ刑務所に収監されたか


20世紀の初めころ、禁酒法時代のアメリカの話です。シカゴにアルカポネという大物ボスがありました。当時のシカゴはカポネに完全に支配されていて、市長は言いなり、警察も手が出せません。密造酒・売春・麻薬・殺人といったビジネスは巧妙で、さすがのFBIも手が出せません。

そんな彼も1931年、ついに「脱出不能の」アルカトラズ刑務所に収監されます。罪状は、なんと「脱税」です。

その90年後の日本、数々の不正スキャンダルで名前が挙がりながら警察も検察も手が出せなかった「政界のドン」、自民党副総裁の金丸信がついに逮捕されました。容疑は「所得税法違反」つまり脱税です。

どんな大物でも、税金をきちんと払わないと、なんと刑務所に入れられてしまうのです。つまり税金をなめてはいけません。

ルールの範囲での「節税」は構いませんが、「脱税」はやめときましょう。税務署はバカではありません。


フリーランス・個人事業主の無申告はバレないか

フリーランスや個人事業主のみなさん、「くそ真面目に確定申告しなくてもバレないんじゃないか」そう思ったりしませんか?

昔一企業で経理担当をしていたのですが、税務署から「資料せん提出のお願い」なるものが時折やってきました。会社が支払った外注費などの支払先や金額をすべて報告してほしいというお願いです。交際費だけの資料せんを集めて、どこの飲み屋に支払ったかを調べる場合も少なくありません(飲み屋さんは無申告のケースが多いので)。

税務署は、提出された「資料せん」を全てKSK(国税総合管理)システムに入力します。このデータは無申告のあぶり出しに活用されます。

先ほどの交際費の例でいえば、資料せんで多くの会社が「あなたの飲み屋に支払った」と報告しているのに、あなたは税金を申告していません。「これは無申告だ!となるわけです。」


-FX取引の無申告はなぜばれるのか

資料せんだけではありません。

少し前の話ですが、FX(Foreign exchange)で儲けた人たちの多くが、無申告で税務署に調査を受けました。中には正式起訴されて刑事罰を受けたケースもあります。なぜばれるのでしょうか。

口座を管理しているFX業者には、2009年より顧客口座の取引記録の提出が義務付けられました。これが支払調書です。この支払調書によってFX取引はすべて税務署の監視下に入っているのです。このようにして、時代の流れでお金が集まるところに、税務署は常に目を光らしているのです。


-税務署はさまざまな手段で個人情報を集めている

最近はクラウドソーシングのによる副業が増えてきていますが、中には申告していないアフィリエイターも多いと言われています。税務署が、こんなおいしい話をこのまま黙って見過ごすとも思えません。

ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)に、アフィリエイターとの取引記録の提出を「自発的に」求めてくるでしょう。いや、すでに提出させているかもしれません。ASPも税務署とは良い関係を築いておきたいはずです。

他にも、税務署にはさまざまな情報が集まります。例えばフリーランスが原稿料の名目で受け取る料金で年間5万円以上の支払い分は、その支払い者が支払調書を税務署に提出しなければなりません。

つまり、フリーランス個人が高をくくっていても、税務署はしっかり情報を握っているのです。そのまま2-3年無申告を続けていると、ある日税務署から「税務署からのお尋ね」が届きます。「家政婦は見た」ではありませんが、税務署はずっと様子を見ていたのです。

ここで申告漏れがバレルと、今まで納めていなかった税金を追徴されるだけではすみません。無申告加算税・重加算税・延滞税といったペナルティーが課されます。

そうならないためにも、せめて正しい申告は心がけるようにしましょう。


まず青色申告者になろう


ただし、ルールの範囲で節税することは違法ではありません。ルールを正しく理解し正しく使いこなし、必要経費に認められる経費の全てを入れ込むのです。では具体的に何をしていけばよいのでしょうか。

まずは、青色申告者になりましょう。

確定申告書を提出する個人事業主には、白色申告者と青色申告者の2種類があります。昔はそれぞれで申告用紙の色が違っていたので、そう呼ばれています。

税務署は正しい申告・納税を奨励しています。

正しい申告・納付のためには、日々の売上や仕入れ、さらには経費の支払いを帳簿に記録し、かつ領収書や請求書、銀行口座の入出金記録といった書類を保存しなければいけません。はっきり言って面倒です。そこで、面倒なことをちゃんとやっている個人事業主には、一定の税金上のメリットを提供しているのです。


-青色申告者の主なメリットは

フリーランス・個人事業主には、事業所得、つまり「収入金額-必要経費-各種控除額」に対して税金が課されます。そして、青色申告者に対しては、なるべく多くの必要経費・控除額を認めているのです。

控除額のメリット
青色申告者には、儲けから65万円を差し引くことが認められています。これを「青色申告特別控除」と呼びます。ただし、複式簿記による記帳が義務付けられます。一言で言ってしまえば、さまざまな取引を、会計仕訳という経理処理により帳簿に記録していくのです。

商業簿記3級でも持っていれば、特に難しいことはありませんが、慣れない人には難解です。ただし最近は優れものの安価な会計ソフトが出回っており、経理知識が全くなくても取引を打ち込みさえすれば、自動的に複式簿記による記帳をこなしてくれます。

奥さんや一緒に暮らすお子さんに支払った給料
白色申告者の場合は、必要経費として認められる給料に限度額が設けられています(奥さんの場合は86万円、お子さんの場合は1人につき50万円)。

青色申告者の場合は、勤務の実態に見合った給与であれば、その全額が青色事業専従者給与として必要経費に認められます。

(青色事業専従者として認められるには)
15歳未満のお子さんは、専従者として認められません。それと、年のうち6か月以上働くことも条件とされています。この辺りは常識感覚でわかりますよね。


プライベートに使った経費は必要経費として認められない

フリーランス・個人事業主が注意しなければならないのは、「プライベートに使った経費は、絶対に必要経費として認められない」ことです。

ただし、個人事業の多くは、事業専用に店舗・オフィスや営業車などを所有しているケースはむしろ少なく、殆どのフリーランスそして多くの個人事業主が、例えば自宅で作業をしたり、お店を開いたりしているのが実情です。

このように、店舗兼住宅や営業車県自家用車など、プライベートとビジネスの境界線があいまいな経費は、家事関連費と呼ばれます。税務署は、家事関連費を原則として必要経費として認めていません。

それではあんまりだ、ということで、個人事業主が自ら証明しさえすれば、家事関連費の一部を「事業の遂行上必要である」として、必要経費として認めています。

ただし、無条件に認めるわけではなく、ハードルは決して低くはありません。


-事例で考える:家事関連費の必要経費算入


自宅の一部をオフィスとして使っている
あくまでオフィス専用として使っていれば、自宅にかかる家賃・光熱費などの経費を、床面積の比率により必要経費に算入できます。

ただし、オフィス部分と住宅部分が構造上明確に区分されていない事例で、必要経費への算入が認められなかったケースもあります。つまり、外付け階段のみで自宅とオフィスを行き来できるような構造だとベストです。中での行き来ができるような住宅は、認められない可能性が高いと言えそうです。

ちなみに、リビングの一角で事務作業を行っているような場合は、無条件でアウトです。

営業車で子供の送り迎えをしている

面倒ですが3か月くらいのスパンで毎日運転記録を残します(スマホのGPSアプリを活用すると、走行距離や経路の記録をデジタルデータとして残せます)。

その後は、3か月分のデータを使って、乗用車の車検費用・ガソリン代・リースならリース料・自賠責・任意保険料の合計額を走行距離の比率で按分し、必要経費への算入金額を求めます。

按分比率は基本的に使いまわしが認められますが、お子さんが卒業して社会人になったような場合には見直します。

スマホ・インターネットなどの通信費、電気料金
使用時間により按分できるとの記事もよく見かけますが、現実として証明が困難であり、否認される可能性大です。ビジネス用のスマホを別に持つ、ビジネス用にプロバイダー契約を別に結ぶ、等の対応をすれば確実です。
自宅兼オフィスの電気料金も、オフィスの電力使用量をスマートメーターなどで記録しておくのがベストです。


最後に-税金の節約で悩めるのは幸せ

個人事業主・フリーランスは仕事を保証されているわけではなく、稼ぐのは大変です。開業を税務署に届け出た個人事業主・フリーランスは約220万人、そのうちなんと2割を超える約50万人は赤字です。

ちなみに500万円から1000万円儲けを出している個人事業主で、所得税の納税額は平均50万円を若干超えるレベルに過ぎません。500万円のラインを越えて初めて節税を気にすることになるのでしょうが、そうした層は30万人、全体の15%程度です。

節税に悩むのはほんの一握りなんですね。個人事業主・フリーランスにとって大切なのはまずはきっちり儲けること、その上でルールの範囲で節税策を立てることでしょう。

では、節税策は自分で考えるべきか、専門家の税理士に任せるべきか、その答えは後日考えてみたいと思います。


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ライター紹介

by マネーの神様編集部

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ファイナンシャルプランナー、不動産投資家、起業家、トレーダー、ネットビジネス会社経営者、行政書士等が集まる、ちょっと不思議で多くの面白い情報が飛び交う編集部です。

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