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離婚での慰謝料相場と多くもらうためのノウハウ

2017/07/09 家計・節約 離婚
この記事は約 9 分で読めます。

戦後からしばらくの間、日本の離婚件数は6-8万件で推移していました。それが昭和40年代に入って年々増加を続け、今や25万件を行ったり来たりする水準に達しています。

年間婚姻数が63万件ですので、婚姻と離婚の比率は約3対1です。「3組に1組が離婚している」とマスコミで報道される根拠はこの比率です。

現在は結婚適齢期人口も婚姻数は年々減少しているので、「3組に1組」というのは数字のマジックに過ぎません。ただし、夫婦がそろった世帯が2500万世帯であるのに対し、男親のみ又は女親のみという世帯は500万世帯に及びます。比率として5対1です。

また、若い人ほど離婚の可能性は高くなっており、このままの勢いで将来も離婚が推移していくと、1990年生まれの女性は50歳になるまでに3人に1人が離婚を経験するであろうと推計されています。

つまり、「3人に1人が離婚」という未来も現実なものとなっています。

さて、今回は離婚に関するお金の問題、「慰謝料」の相場と、多くもらうためのノウハウについて考えてみたいと思います。


離婚での金銭問題-解決の道は険しい


慰謝料をもらうと言っても、それほど簡単ではありません。では、どれほど難しいのでしょうか?

離婚により相手に請求できる可能性があるのは、養育費、財産分与、慰謝料の3つです。

養育費
子供の扶養に必要な費用。離婚原因が何であれ、親の責任として支払い義務が課される

財産分与
土地・建物や預貯金などの動産を、貢献度に応じて夫婦で分割する。離婚原因は影響しない

慰謝料
相手に不実行為など離婚原因がある場合に請求できる

つまり養育費・財産分与は、離婚原因が何であれ、当然の権利として請求できるものであり、慰謝料より遥かに難易度が低い・・・筈です。

ところが、この養育費がきちんと支払われているかについてすら、惨憺たる状況なのです。


-養育費すらまともに支払われない

厚生労働省の調査によると、離婚した母子世帯のうち、なんと6割が養育費の取り決めをしていません。

取り決めをしなかった理由は、1位が「相手に支払う能力が無い」です。そして2位がなんと「相手とこれ以上かかわりたくない」です。

しかも、養育費の支給が途切れるケースも少なくなく、現在も支給を受けている母子世帯は2割に過ぎません。

しかも平均受給額は月4.6万円です。子供一人には最低でも月5.7万円かかり、母子世帯の子供の数が平均1.58人ですので、本当は月額9万円は必要です。つまり受給額はその半分程度にとどまっています。

離別した父親の8割は年収500万円を切る水準であり、2割は200万円未満です。加えて、離別した父親の多くは再婚しており、新しい家庭を優先してしまうケースも多いのです。

多くの離婚のケースで、養育費を満足に確保するのが何より、慰謝料などとてもとても、というのが実情でしょう。


-裕福な父親ほど出し渋る

ところが、離別した父親の中には、年収600万円以上と比較的稼いでいる層も1割強含まれています。医師・会計士や中小企業オーナーといった職業についている父親もいます。

父親の年収別に養育費の支払い状況を見ると、確かに年収が上がるにつれ、支払い率も月額も上昇します。ただし、年収が上がり支払い能力が高いはずなのに、月額はそれほど増えていないのです。

例えば、年収100万円の場合の養育費月額は平均2.56万円です。確かに少ない額ですが、年収100万円(月平均8万円)から2.56万円をねん出するのは相当厳しいはずです。

一方で、年収1000万円の場合の養育費月額は5.69万円です。年収100万円の月額2.56万円と比べると倍以上ですが、なんたって年収が10倍ですから、もっと出してもいいはずです。

支払い率も、年収100万円の父親の1割しか養育費を支払っていないのに対し、年収1000万円の父親は、半数が養育費を支払っています。でもよく考えてください。年収1000万円もあるのに、半数が養育費を出し渋っているのです。

離婚を考えているみなさん、相手に支払い能力があるのなら、躊躇せずに声を上げていきましょう。黙っていたら払ってくれませんよ。


離婚原因すべてが慰謝料に結び付くわけではない


司法統計によると、調停に持ち込まれる離婚申し立てのうち、半数は性格の不一致によるものです。その後、DV、不倫、生活費を渡さない、精神的虐待、浪費、家庭を顧みないと続きます。

性格の不一致だけでは通常離婚は認められませんが、別居生活が続いているなど婚姻生活が破綻している場合には離婚が認められるケースもあるのです。ただし、性格の不一致が離婚原因では慰謝料は請求できません。

協議離婚の統計データはありませんが、はっきりした理由はないが離婚したいというケースは多いようです。協議離婚の場合は、本人同士が合意すれば離婚は成立しますが、これといった理由が無いのに離婚する以上、慰謝料は請求できません。

慰謝料がもらえるのは、有責事由、つまり相手側に一方的に責任がある場合です。


慰謝料の相場はケースバイケース

家庭裁判所では、養育費に関して算定表を作成し、離婚調停の際に活用しています。離別する父親の年収・母親の年収・子供の年齢を算定要素として、養育費の目安が判断できるのです。

ところが、慰謝料にはこうした算定表は存在しません。過去の調停や裁判判例の積み上げにより、ケースバイケースで相場が形成されています。

慰謝料というと、テレビでは何千万円・何億円という芸能人のケースが紹介されていますが、100%離婚の責任が相手にある場合(これを法律用語で「有責行為」と呼びます)でも、一般的には100-300万円といった場合が多いようです。

調停などでは、離別する父親の年収や社会的地位、婚姻期間、未成年の子供の有無、2人の年齢に基づき、慰謝料の金額を判断します。

その他、例えばそれがDVなら、頻度や暴力の激しさがどの程度だったか、DVだけが婚姻生活破綻の原因か(奥さんの方に有責行為は無いか)も影響します。


調停に持ち込んだ方が慰謝料は多くもらえる

離婚をしたいときは、以下の4つの手続きのいずれかを踏みます。
A 夫婦の話し合いだけで離婚を決める「協議離婚」
B 裁判所に調停を申し立て、調停員の立ち会いのもと離婚を協議する「調停離婚」
C 調停で合意できなかった場合に家庭裁判所が判定する「審判離婚」
D 審判結果にも不服で正式な訴訟に持ち込まれる「裁判離婚」

離婚家庭の殆どがAの協議離婚を選んでおり、司法が間に入るBCDを選んでいるのは全体の1割強に過ぎません。

ところが、協議離婚の場合、養育費を取り決めているのが3割に過ぎないのに対し、調停以上に持ち込んだ場合は取り決め率は8割近くに達します。

同じことは慰謝料にも言えます。夫婦の話し合いだけでは、相手に言いくるめられてしまいます。本気で慰謝料を「多くもらいに行く」なら、最低でも調停に持ち込むことをお薦めします。慰謝料を理屈通りに多くもらえるかといえば、ことはそう簡単ではないのです。

考えてもみてください。不倫行為を繰り返す、気に食わないと暴力を振るう、アルコールに溺れる、家庭を顧みず生活費を入れない、そういう人の道を外れた相手に慰謝料を請求するのです。

「はい、そうですか」と払ってくれると思いますか?話し合いでは簡単に解決しません。


踏み倒しを許さない

慰謝料支払いを合意した後、結局踏み倒されるケースも少なくありません。慰謝料の場合は統計がありませんが、養育費は半数近いケースで支払いが滞ります。後々こうした事態に防ぐためにも、合意内容は公正証書として残しておくことをお薦めします。

支払期限までに支払われなかった場合は、まず最初に内容証明付きで督促状を送り付けます。そうした手続きを踏んだうえで、それでも払わない場合は、裁判所に差し押さえを申し立てましょう。

大切なのは、なんとしても支払わせる気力です。


不倫相手からも慰謝料が取れる


ドラマでは、相手に奥さんがいると知りながら恋に落ちるといったシチュエーションが頻繁に登場します。最近も結婚適齢期を迎えた30前後の女性3人を主人公としたドラマが好評でした。大島優子さんが不倫に悩む居酒屋の看板娘役を熱演していましたよね(あの役、女芸人の白鳥久美子さんがキャスティングされる話もあったとか)。

個人的には、居酒屋「のんべえ」の主人を演じた金田昭夫さん、味のある名脇役ぶりが光っていたと感じました。

ところで、こうしたものを日常的に観させられると、なんだか不倫も恋の形の一つとして市民権を得たかのように錯覚してしまいます。

不倫は、恋の形の一つなどではなく、相手の出方次第では訴えられかねない行為として覚悟しておくべきなのです。

配偶者の不実行為が不倫である場合、不倫相手にも慰謝料を請求できます。この場合の争点となるのが、婚姻生活の破綻や離婚原因が不倫にあるのか、不倫相手がそのことを知ったうえでことに及んでいたかです。

例えば別居期間中に不倫が始まったとすると、不倫の前から婚姻生活は破たんしていたとみなされ、その分慰謝料は減額されます。

不倫相手への慰謝料請求で、いきなり訴えるといったケースは少ないようです。まずは内容証明付き郵便で相手に慰謝料を請求し、出方を見ます。払ってくれればそれで良し、弁護士費用も掛かりません。ダメならいよいよ法的手段を検討しましょう。


最後に-慰謝料は再出発の支度金

離婚がここまで増えてきたのを、不安視する意見があるのも確かです。一方で、昔は女性が耐えていただけとする意見もあります。そうした人たちは、離婚の増加を肯定的にとらえています。

昭和30年代、地方にはまだまだ「かまど」が残っていました。煙や煤にまみれながら炭で食事を煮炊きし、お風呂も沸かす重労働、すべてお嫁さんの仕事です。そんな農家の見直そうと、かまどをなくして、家事の負担を減らしていこうという、生活改善運動が日本中の農村で進められました。

ところが、当の農家のお嫁さんたちが、かまどを残してほしいと懇願します。その理由が「隠れて涙を流す場所が、私たちにはここしかない」というのです。

こんな話を聞くと、本当にまともな時代になったと実感します。

とはいえど、離婚は当事者や、さらに子供たちにも、経済的にだけでなく大きな精神的ダメージを与えることは間違いありません。ましてや相手に不倫・DV・経済的遺棄などの不実行為があればなおさらです。

そこから立ち直り、新しい生活をスタートさせなければなりません。慰謝料はそのための支度金なのです。


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ライター紹介

小野みさ代

小野みさ代

株式会社One's Brain 代表
【詳細はコチラ】
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