1. TOP
  2. 白色申告と青色申告の違いとメリット・デメリット

白色申告と青色申告の違いとメリット・デメリット

サラリーマンの場合、税金の申告は勤め先が全部やってくれます。確定申告するのは、医療費がかかりすぎて税金還付を受けたいときか、マイホームを購入して住宅ローンを組んだ時ぐらいでしょう。

晴れて個人事業主となり、気分はやや浮かれ気味、でものんびりしている暇はありません。税務署への届け出や確定申告は、サラリーマンと違って自分でやらなくてはいけません(税理士に頼むと当然お金がかかります)。

個人事業主は、まず青色申告者になるか、白色申告者になるかを選ばなくてはいけません。でもそもそも青色・白色ってなんのことでしょうか?多くの方は聞いたことも無いでしょう。

今回は、白色申告と青色申告との違いは何なのか、どう違うのか、それぞれのメリット・デメリットは何かについて、わかりやすく解説したいと思います。


青色申告と白色申告の違いは申告書の色?


ところで青色申告はなぜ「青色申告」と呼ばれるのでしょうか。

「申告書用紙の色が青だから?」

半分外れで半分あたりです。

国税庁ホームページにアクセスし、指定された項目を指示に従い順番に入力、プリントアウトすれば、確定申告書の出来上がりです。事前に登録さえしておけば、紙で出さずにWEBで申告が可能です。

そんな確定申告書も、かつては手書きでした。複写式(税務署提出用、控え)になっており、青色申告の場合は一枚目(税務署提出分)が青色の用紙でした。

今では個人事業主の青色の用紙そのものは無くなりました。中小企業の場合も、パソコン出力や電子申告が普及して、青い用紙を提出するケースはぐっと減りました。それでも「青色申告」は正式名称として使われ続けています。


一点の曇りもない青空

そもそもこの青色申告制度は、戦争が終わったばかりの1947年に発足しました。

個人事業主は、みずから所得や納税額を計算し、税務署に申告し税金を納付しなければなりません。これを「申告納税制度」と呼びます。今では当たり前ですが、戦争前は、税務署が一方的に「お前は〇〇円税金を納めろ」と通告してくる賦課課税制度が続いてきました。

それを大きく舵きりし、申告納税制度を導入しようとしたのが、アメリカ人のカール・S・シャウプです。

シャウプは、正しい自主申告・納税を日本に定着させようとしました。そのために、正直に申告した事業主には、すこし税金をまけてあげる仕組みも編み出しました。それが「青色申告制度」です。

では、そもそもなぜ「青色」なのでしょうか?それは、日本人が一番好きな色が「青」だからだそうです。そして「青」には「正々堂々」「一点の曇りのない」といったイメージがよく似合います。

納税者が自らルールを守ろうとする意識が乏しくては、申告納税制度は持続できません。申告書の用紙を「青」にしただけで意識が変わるほど、世の中は甘くありません。

それでも、いやだからこそシャウプは、「一点の曇りのない」正しい自主申告の普及・定着を、日本人の納税者意識向上を、「青」に委ねたのでしょう。


青色申告のメリット・デメリット-とにかく面倒くさい

青色申告制度は、正しい申告を定着させる制度です。そのために青色申告を選んだ個人事業主には、帳簿の記帳を義務付けます。

記帳とは、例えばタクシー料金を支払ったら、いつ(何月何日)・いくら・誰に対して・どのようにして(現金・クレジットカードなど)支払ったのかを、一定のルールに基づいて記録することです。このルールを複式簿記と呼びます。

商業簿記3級(商業高校を卒業した方は殆ど検定に合格します)程度の知識があれば、記帳などなんてことありませんが、知識が全くないとどこから手を付ければよいかすらわかりません。

記帳以外にも、決算帳簿の締め切り(合計残高試算表の作成)、在庫の実地たな卸し、決算書類(貸借対照表・損益計算書)といった処理が生じます。

優れものの会計ソフトのおかげで、経理知識が無くても記帳ができる時代になりましたが、面倒なことに変わりはありません。


-税金面で特典を受けられる

いろいろと面倒な記帳や決算、代行業者に頼めばコストだってかかります。それでも、なぜ青色申告を選ぶのでしょうか。

それは、さまざまな税金上の恩恵を享受できるからです。

(奥さんやお子さんに支払う給料)
とくに個人事業主の場合、赤の他人を雇って給料を払うほどの余裕はありません。個人事業は家族の協力が欠かせないのです。
白色申告の場合は、支払う給料のうち、一定の額(奥さんの場合で86万円、お子さんの場合でひとり50万円)以上は必要経費として認められず、しかも上限額(給与の必要経費算入前の事業所得÷(働く親族の数+1))も定められています。

青色申告の場合は、青色事業専従者給与として、その給与の額が世間一般からみて適正な金額(他人を雇ったとしてその金額を支払いますか?)なら、全額が必要経費として認められます。

(赤字が出た場合のキャッシュバックやキャリーオーバー)
個人事業はいつも順風満帆とは限りません。競争相手の売り込みによる取引減少、元請けメーカーの海外移転、不景気による来客現象などなど、業績が良い年もあれば悪い年もあります。

そんなとき、青色申告者なら、赤字が出た時に救済措置を受けることができます。

例えば去年が黒字で税金を納付した場合で、今年が赤字のケースでは、去年納付した税金の全額または一部を返してくれます。これを「純損失の繰り戻しによる還付」と呼びます。いわば税金のキャッシュバックです。

また、赤字を翌年以降に繰り越すこともできます(3年間が限度です)。翌年以降に黒字が出れば、そこから赤字を差し引けるのです。これを「純損失の繰越控除」と呼びます。いわば赤字のキャリーオーバーです。

(所得から65万円を差し引ける)
青色申告者として複式簿記により帳簿を付けていれば、事業所得より65万円を控除できます。

その他、青色申告者には貸倒引当金の計上、30万円未満の少額減価償却資産の一括償却(限度額300万円)が認められます。


白色のリスク 推計課税


白色申告でも業績がカツカツのうちは、税務署も相手にしてきません。相手にしても税金が取れないからです。

商売が順調に回ってくると、どこから聞きつけたのか、「税務署からのお尋ね」が郵送されてきます。税務調査を受ける場合もあります。「ここは税金の申告額が少なすぎる」とやってくるのです。

白色申告者に対する調査は厳しくなりがちです。何故だと思いますか?

税務調査では、確定申告書に記載された数字が正しいかどうかを、帳簿を追って検証していきます。

ところが白色申告者の帳簿は杜撰で、必要な書類が揃っていません。そんなところへ調査にあたる税務署員も大変です。本当に手間がかかるからです。調査員も人間ですから、心証はどんどん悪くなります。

売上や経費の裏付けが取れなければ、税務署は自分たちの虎の巻に基づいて、独自に推計して課税額を決定します。

つまり「この店の所得は〇〇百万円くらいだから、△△百万円ぐらい税金を取ろう」と勝手に決めることができます。これを「推計課税」と呼びます。

個人事業主は推計課税に文句がある場合は、「帳簿」に基づいて反論できます。ただし白色申告の場合は、まともに帳簿を付けていないので反論もできません。

どうやって「推計」するかの虎の巻を、税務署は公表していません。公表したら、白色申告者に対策を取られてしまうからですね。


面倒な帳簿づくりや確定申告を支援する青色申告会

青色申告が承認されると、青色申告会より入会や記帳指導会のお知らせが舞い込みます。

青色申告会は、青色申告の普及浸透を進めるために、税務署の後押しを受けて設立された団体です。

この青色申告会では、記帳方法や確定申告書の書き方を講習してくれたり、会計ソフトもあっせんしてくれます。

それでいて会費は年間2万円程度です。もちろん記帳は教えてくれるだけで、替りにやってくれるわけではありません。それでも税理士や記帳代行業者に頼むよりはるかに安上がりです。


開業から2か月以内にどちらかを選ぶ


個人事業主として開業したら、2か月以内に青色にするか白色にするかを決めなければなりません。一旦白色を選んだ後も、開業翌年以降に青色を選びなおすことも可能です。その場合は、その年の3月15日までに「青色を選びたい」と届け出るのです。

具体的な手続きとしては、「青色申告の承認申請書」を、オフィスやお店を所轄する税務署に提出します。

(提出先)
所轄する税務署がどこだかわからない場合には、国税庁ホームページの「国税局・税務署を調べる」にアクセスし、お店やオフィスの住所を打ち込めば、最寄りの税務署がヒットします。

(提出書類)
国税庁ホームページから、申請書のPDFをプリントアウトできます(税務署にわざわざ出向く必要はありません。本当に便利な時代になりました)。

記入するのは、氏名・住所・屋号・事業の種類ぐらいで、至ってシンプルです。10分もあれば記入できてしまい、捺印すれば出来上がりです。

(青色事業専従者給与の適用を受けたい場合)
「青色申告の承認申請書」と同時に、「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出をお薦めします。届出書には親族の氏名・年齢・経験年数・仕事の内容・資格等・給与や賞与の額・昇給の基準を記載します。

(提出方法その他)
申請書は、税務署が開庁している平日の8時半から5時までに提出します。時間外でも、税務署の正門に備え付けている収受箱に投函できます。

その他、郵送による提出も認められています。その場合は、消印日付が提出日とみなされます。


最後に-白色申告も記帳義務が課されるようになった

結論ですが、本腰を入れて個人事業を続けていく覚悟なら、青色申告の選択をお薦めします。多少帳簿記帳は面倒でも、節税メリットはあまりにも魅力的です。

ちなみに2014年より、個人事業を営む白色申告者にも、記帳が義務付けられるようになりました(ただし1か月分の取引をまとめて記帳できるなど、簡便な処理が認められます)。それに白色申告者でも、領収書や請求書は保存義務が課されます。

つまり、白色でも青色でも記帳事務の負担はほとんど変わらなくなったのです。そう考えると、白色を選んでも、何にも得することはないと言えそうです。


何度もダメ出しを喰らわない!相手を惹きつける事業計画書の書き方

個人事業主・法人って何が違うの?起業した後にどちらを選ぶ?

自動車ローンに頭金は不要?頭金を支払うメリットとデメリット


\ SNSでシェアしよう! /

マネーの神様 | 本物の投資家が教える 自分にあったお金を稼ぐ方法の注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

マネーの神様 | 本物の投資家が教える 自分にあったお金を稼ぐ方法の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介

by マネーの神様編集部

by マネーの神様編集部

ファイナンシャルプランナー、不動産投資家、起業家、トレーダー、ネットビジネス会社経営者、行政書士等が集まる、ちょっと不思議で多くの面白い情報が飛び交う編集部です。

この人が書いた記事

  • お金持ちの考え方と行動の法則は何が違うのか?

  • 働かないでお金を生み出す!不労所得を簡単に稼ぐ方法を考える

  • 貯金ができないのはなぜ!?お金を貯めるのが難しい3つの理由

  • 小資本で起業する方法は?起業の仕方を学んで独立開業!

関連記事

  • 在宅副業でお小遣い稼ぎ!隙間時間を効率よくお金に変える方法

  • サラリーマンでも資産運用しながら節税できる! 日本版401k確定拠出年金とは

  • 30代で年収1000万超!?保険会社の高収入にはワケがある

  • スマホでコツコツお小遣い稼ぎ!すきま時間で月3万円稼ぐ方法4選

  • 退職金の相場とは?勤続年数10年でいくらもらえる?

  • 起業しよう!失敗しない方法を4つの簡単ステップで解説!