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領収書が経費で落ちるか落ちないか?判断基準を徹底解説!

新橋の飲み屋街ではサラリーマンのみなさん、「今夜の接待の領収書は経費で落ちるから」「カラオケの領収書は部長が経費で落としくれる」といった会話が交わされることも多いでしょう(「うちの会社は経費に厳しいので、飲み代などだしてくれない」という会社も少なくないとは思いますが)。

この場合の「経費で落ちる」とは、「(部の予算から捻出できるから)会社が飲食費などの経費を負担する」との意味であり、税金がかかるかどうかは関係ありません。

名門ゴルフ場で、銀行主催のコンペが開催される時など、何台ものハイヤーが横付けされ、豪華賞品がフロント前に展示されますが、あれも「経費で落としている」のでしょう。

個人事業主や中小企業オーナーにとって「領収書が経費で落ちる」とは意味が違います。この場合は、「税務署がその費用を経費として認めてくれるか」がポイントになります。

今回は税務署がどういう判断基準で、経費として認めないのか(これを税金用語で「否認」と呼びます)について考えてみたいと思います。


領収書が無ければ経費として落とせない?


領収書が無ければ経費として落とせないわけではありません。いつ、どこで何を買ったのか、そのことが証明できれば何も領収書が無くても構いません。とくに公共交通機関の場合は認められる可能性が高いのです。

例えば東京から大阪まで会議のために出張した場合、大阪で会議に出席した事実がはっきりしていれば、新幹線乗車券の領収書が無くても経費として落とすことは可能です。

ただし、公共交通機関なら経路によって金額がはっきりしているので、領収書無しでも問題なさですが、そうでなければ事実をいちいち確認するのは簡単ではありません。ところが、たった一枚の領収書があれば解決するのです。


多くの領収書を経費で落とせれば節税できる

「なるべく領収書を経費で落とせれば節税できる」のを、個人事業主や中小企業オーナーのみなさんは感覚的に理解されていると思います。ではなぜそうなるのか、税金の仕組みはどうなっているのでしょうか?

個人事業主であれ、中小企業オーナーであれ、「収入」に対して税金が課されるわけではありません。「収入」から「経費」を差し引いた「所得」に対して税金が課されるのです。式に示すと以下の通りです。

所得金額(収入金額-経費の額)×税率=税金の額

つまり経費を多く落とせれば所得金額が小さくなり、課される税金も小さくなるのです。

この点は、個人事業主でも中小企業オーナーでも変わりません。ただし、個人事業主に課されるのは所得税、中小企業オーナーに対しては法人税が課され、それぞれ経費として認められる範囲が異なります。

もう一つ重要な点は、中小企業オーナーに対しては法人税が課されるだけではなく、オーナー個人に対して所得税が課される場合があることです。この点は、経費で落として節税を考える際に重要なポイントです。


プライベートな領収書は経費で落ちるか?-個人事業主の場合

まず個人事業主について、領収書を経費で落とせる判断基準を考えます。

個人事業主の場合、プライベートな支出は家事費と呼ばれ、経費として落とすことはできません。留学しているご子息のアパート家賃、もっぱらプライベートに使う自家用車、家族や親族での飲食費などは、もちろん経費として認められません。

一方で、自宅兼店舗の家賃、配送にも使っている自家用車などはどうでしょう。こうしたプライベートなのか事業用なのか曖昧な出費は家事関連費と呼ばれます。家事関連費は、事業に使った部分とプライベートに使った部分に明確に区分できる場合に限り、一部を経費として落とすことができます。

例えば、車のガソリン代・車検量・保険料などは、走行記録を残しておき、距離の比率で経費と家事費に区分するのが一般的です。最近は業務運行管理システムを搭載したカーナビも販売されており、これを活用すれば走行履歴を自動的に管理できます。

もちろん、システムの本来の目的は、ドライバーの日々の業務(ルート・休憩・給油・積み荷の有無)を見える化し、効率的な配送を促すことにあります。ドライバーさんにとっては、一日の行動がまるわかりになってしまう訳ですね。


-中小企業オーナーの場合

次に、中小企業オーナーのケースについて考えてみます。

「法人化すれば、オーナーやその家族が使ったプライベートな領収書も経費で落とせ、節税につながる」とのコメントをたまに見かけます。実際はどうなのでしょうか?

(経費で落とせても給与課税される)
答えは「携帯電話の料金も、乗用車も、家賃も、たとえプライベートに使っていたとしても、領収書を経費で落とすことはできます。ただし、節税にはつながらない」が正解です。ん?一体どういうことでしょう?

例えば5階建てのオフィスビルを借り、4.5階をオーナーの住居用、1-3階をオフィス・店舗に使っていた場合、家賃の全額を経費として落とすのはできないことではありません。

ただし、経費で落とした場合、例えば家賃が月100万円として、4.5階部分の家賃40万円はオーナーへの給与に認定され、オーナー個人に所得税が課されます。これを「給与課税」と呼びます。

(最も恐ろしい往復ビンタ)
もっと恐ろしいのは「往復ビンタ」です。例えば、オーナーの母校へ100万円寄付したとします。この場合、会社と学校の間にビジネス上の付き合いが無ければ、寄付自体に合理的理由がありません。

こうしたケースでは、オーナー個人へのプライベートな支出、つまり「給与課税」として所得税が課されます。

それだけではありません。法人としても経費で落とすことが認められず、法人税も課される可能性が高いのです。これを「役員賞与」と呼びます。つまりオーナーやその家族へのプライベートな出費を「お手盛り」で負担した場合には、税務署は経費として認めないのです。


飛行機での出張は経費で落ちる?


東京にある医療機器販売の社長さん、岡山の協力工場に視察を兼ねて出張します。新幹線でも、のぞみなら3時間ちょっとで着きますが、工場が岡山空港のすぐそばだったこともあり、飛行機で出張しました。1時間ちょっとの道のりです。この場合、航空チケットの領収書は経費で落ちるでしょうか?

速く目的地に行くための手段として飛行機を利用するのですから、この場合は経費として認められます。これを「事業遂行のための合理的理由がある」といいます。

では、グリーン車で出かけた場合はどうでしょう?この場合も、通常は経費で落とすことができます。同じように、ファーストクラス・ビジネスクラスもOKです。


細かいルールは「閻魔帳」で判断する

では、グリーン車での通勤はどうでしょうか?税務署は、経費で落ちるか微妙な判断を求められるケースについて、「閻魔帳」を職員に配っています。つまり「こうした場合にはこのように対処せよ」と閻魔様が鬼たちに示したルールブックで、これを「通達」と呼びます。通達は書店でも売っています

この通達では「グリーン車での通勤は給与課税しますよ」とはっきり唄っています。残念ながら認められないようですね。

ちなみに所得税通達では、従業員(社長を含む)に支給した結婚祝い・香典、ご子息の学費支援、自社製品の値引き販売、無利息貸付、記念品授与などの取扱いを定めています。必ず通達集を購入し、判断に迷った際には必ず通達を確認しましょう。


スナックの領収書-簡単には経費で落ちない

スナックの領収書は経費で落ちるでしょうか?個人事業主の場合、得意先や取引先との接待など仕事上の付き合いに使ったのなら、経費として認められます。上限額などの縛りはありません。

法人の場合、飲食費に対しては、経費で落とせる範囲が厳しく制約されています。税務署は、飲食費を「無駄な支出」とみなしていて、企業接待の接待に対する社会の目もあることから、厳格なルールを設けているのです。

A得意先を接待した場合
いわゆる5000円基準が適用されます。つまり1人当たり5000円超かかる場合は「贅沢」とみなされ、半分しか経費として認められません。

B社長や従業員で飲食した場合
1人当たりの金額にかかわらず、全額が経費として認められません。内輪での飲み会は、とくに商談に結び付くわけではないので、厳しく精査されるのです。

ちなみに。冒頭に登場したゴルフコンペの領収書も経費として落ちません。税務署はゴルフを贅沢な遊びとみなしています。


-中小企業に対しては基準が緩い


ただし、中小企業、つまり資本金1億円未満の企業は多少ルールが緩くなっています。ちなみに企業の98.5%は中小企業で、オーナーと親族で経営されている企業の大部分は中小企業に当たります。

中小企業オーナーは、特に地方に行くと保守系政治家の地盤を支えているケースが多く、政治家たちは頭が上がらないのです。こうした政治力を背景に、中小企業は数々の税金優遇制度を獲得しています。

飲食費の場合、中小企業に対しては年800万円まで経費で落とすことが認められています。だからといって、売上や商談に結び付かない飲食を繰り返すのはいかがなものでしょう。あくまで身の丈の範囲で、ほどほどの飲食を心がけましょう。


最後に-ポスト領収書の未来

「今夜はお客のご接待ぃ・・・」

今から25年ほど前、ちょうど昭和の終わったころ、パワーズの「領収書」という歌がカラオケスナックで流行っていました。

「白紙でください領収書ぉ、できればください2、3枚」
「万の位にチョイと棒引けば、見事に増えます領収書ぉ」

昔は随分おおらかだったんですね。ただしこうしたごまかしは、すぐにバレてしまうそうです。万の位に棒を引いても、「ボールペンの色が違いますぅ」というレベルのごまかしですから。

そんな領収書も電子保存のルールがさらに緩まります。今まではいちいち専用のスキャナーでPDFにしなければならず、まったく普及しませんでした。これが平成28年からはスマホでの撮影も認められるようになり、原本の廃棄も可能となりました。

改ざん防止のためのタイムスタンプと呼ばれる特殊な処理や定期的なチェックが義務付けられそうですが、領収書の保存が必要なくなるという点では大きな転換点です。

今後は、IT技術を使ったもっと巧妙な領収書のごまかしが出てくるかもしれません。一方で不正を発見する側の税務署も、AI(人工知能)で対抗してくる、そんな時代がすぐ先に待っています。


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ライター紹介

by マネーの神様編集部

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ファイナンシャルプランナー、不動産投資家、起業家、トレーダー、ネットビジネス会社経営者、行政書士等が集まる、ちょっと不思議で多くの面白い情報が飛び交う編集部です。

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