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個人投資家に不親切!投資信託分配金の仕組みをわかりやすく解説

新橋の飲み屋街、定年が見えてきた50代と思しきサラリーマンたち、何やらワイワイとぼやいています。

「先輩たちの時代は良かったよな、年金も60歳から貰えて」
「おれたちの場合は、65歳まで支給されないし、金額もだいぶ減らされるらしいぞ」
「まあ、担い手の若者が減ってるから仕方ないか。それだけじゃなく、うちの会社も退職金が見直されるらしいぞ」

そんなお父さんたちも家に帰れば、「最近孫ができて、いろいろとものいりなのよ」「〇〇子(嫁いだ娘さん)がマンションの頭金を少しサポートしてくれないかって」と、奥さんの口から出るのはお金のかかる話です。

でも、そんなのはまだ幸せかもしれません。いまだにお子さんが親離れせずパラサイト状態、非正規で働き定職も持たず、この前など国民年金保険料の督促状が舞い込み、慌てて立て替えてあげたなんて笑い話(本人は笑えない?)も耳にします。

収入は減る、出費は増える、そんなジレンマの中で定年を迎えるお父さん(またはすでにジイジ)たちは、銀行にかけこむのです、投資を始めるために。


定年お父さんは投資信託に走る


銀行が奨めてくる金融商品が、ズバリ投資信託です。最近は、株式でも千株でなく百株単位で購入できる銘柄が増え、投資金額が少ない個人でも手が出しやすくなりましたが、購入単位が大きいのには変わりはなく、分散投資には向いていません。

投資信託は、数種類の株式銘柄や債券をミックスした投資商品です。株式よりリスクが分散される点が大きな魅力で、投資初心者にも人気の金融商品です。2010年には60兆円前後だった残高も、2017年3月末現在には100兆円に達しようとしています。

NISAやiDeCoといったフレーズを最近ニュースでも目にすることが増えました。NISAとは少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)、IDECOは個人型確定拠出年金(Individual Defined Contribution Plan)で、政府はこうした制度を導入し、貯蓄から投資へのシフトを後押ししています。


投資信託の仕組みはよくわからない

ところでこの投資信託、仕組みはかなり複雑です。

銀行で渡されるきれいなコーティングされたパンフレットには、整然とした図解で投資信託の仕組みが説明されていますが、「追加型投信」「単位型投信」「為替ヘッジなし」「上場投資信託(ETF)」「基準価格」など訳の分からない用語が連発され、全く理解できません。

お役所から指導を受けているせいで、「元本は保証されます」「リスクのある商品です」など、金融商品取引法に基づく商品説明を淡々とのたまいますが、そんなこと素人には頭に入りません。

結局、「こちらの投信がおすすめ」とのたまうカウンターのお姉さまがいうがままに、契約書に署名捺印します。

契約後は、月次運用レポートや再投資報告書(兼分配金報告書)を定期的に送ってきます。この報告書をよく読めば、運用で損しているのか・得しているのか、手数料がどの程度かかっているのかもわかりますが、定年退職デビューの投資家のほとんどは、そんなものに目を通しません。

ちなみに私の両親(70代)も二人暮らしですが、証券会社から送られてくる報告書が開封されずに放置されていました。見かねて中身を吟味し、いくつかの投信を見直したのですが、こうしたご家庭は多いかと思います。

「○○証券の方はとっても良い人だぞ、なにくれとなく相談に乗ってくれるし」と父はべた褒めしていましたが、そりゃ親切にもするでしょう。


今人気の「毎月分配型投資信託」って?

銀行は、定年退職デビューの投資家に、必ず「毎月分配型の投資信託」を奨めてきます。「運用成績に関係なく、毎月10万円分配金を支払いますよ」という訳です。仕事を辞め収入が激減する定年退職者にとっては魅力的な話です。

ところでこの分配金、どこから捻出されるのでしょうか?一流企業をそこそこの役職で退職したAさん、退職金の一部を投資信託で運用することにしました。

お薦めの毎月運用型投信は、1000万円購入すれば、毎月5万円の分配金を受け取ることができます。この低金利時代にかなり有利な金融商品です。熟考の末、Aさんは契約を決断しました。

その後はろくに報告書にも目を通さず3年が過ぎました。そんなある日、何の気なしに報告書を眺めたAさん、残高を見てびっくり、なんと210万円も目減りしていたのです。

元本を引き出した覚えはないAさん、どうしてこんなことになったのでしょう。Aさんは銀行に出向いて問い合わせます。


分配金は投資信託の運用益から捻出されるだけではない


銀行の営業レディー、相変わらず対応はソフトです。

(表面利回りとは)
この毎年の分配金の額を投資金額の比率で割った割合を、「表面利回り」と言います。Aさんのケースでは、
(5万円×12月)÷1000万円=6%が表面利回りです。

(表面利回りを維持するのに必要な運用成績)
毎月分配型投資信託の手数料(信託報酬)は年間3%前後が相場です。そうすると、顧客に6%の分配金を約束するには、6%+3%=9%以上の運用成績をあげ続けることが必要です。

(運用成績が目標を下回ったら)
ところが、実際の運用成績は年2%でした。目標に対しては、9%-2%=7%のマイナスです。この場合でも、約束通り分配金は払い込まれます。

運用成績がマイナス7%なのに、分配金は約束通り払い込まれます。不足分は銀行が穴埋めしてくれるのでしょうか?いやー、そんなわけないじゃないですか。足りない分は元本から引き出して分配金に充てるのです。

なんのことはない、分配金が毎月貰えてうれしいと思っていたのに、単に元本を取り崩していたのです。

(運用成績が下回っても手数料はきっちりボラレル)
では運用成績が目標を下回ったら、信託報酬も減額されるのでしょうか?Aさんは営業レディーを問い詰めます。
「申し訳ありませんが、信託報酬は運用成績通りいただくことで契約に唄われております」
まさに踏んだり蹴ったりとはこのことです。

ところがこの分配金、運用による利益から捻出するだけではありません。

(まとめると)
(ア)3年間で受け取った分配金:5万円×12月×3年間=180万円
(イ)Aさんの損失:元本の目減り分210万円-(ア)=30万円 (エ)-(ウ)=30万円
(ウ)運用益:1000万円×2%×3年間=60万円
(エ)手数料:1000万円×3%×3年間=90万円

運用益60万円は叩き出しましたが、信託報酬が運用益を上回ったため、Aさんは結局30万円損をしたことになります。

「投資は自己責任」確かにその通りです。Aさんが納得いかないのは、顧客に損害を与えた銀行が、契約通りとは手数料を満額手にしていることです。


投資信託は表面利回りではなく実質利回りで判断する

投資額に対して何%の分配金を受け取ることができるかを示す比率を「表面利回り」と呼びます。Aさんのケースでは表面利回りは、5万円×12か月÷1000万円=6%となかなかの高利回りです。

これに対して実質利回りは、原本の目減り分も加味した利回りです。Aさんのケースでは、マイナス(30万円÷3年間)÷1000万円=マイナスの1%です。

投資信託の購入に当たっては、表面利回りではなく、実質利回りで判断すべきです。実質利回りを表記している銀行・証券会社ばかりではないので、経済誌や投資関係の雑誌記事などを参考にしましょう。


報告書を眺めれば分配金の中身がわかる

投資報告書には、分配金の内訳が「普通分配金」と「特別分配金」に区分して記載されています。このうち「普通分配金」は運用益から捻出される分配金です。一方、「特別分配金」とは何でしょう。何か銀行が特別に支払ってくれる分配金でしょうか?答えはなんと「元本を取り崩して充当する分配金」です。

普通分配金がゼロで、特別分配金の欄ばかりに金額が入っているということは、運用成績がマイナスということです。その状態がずっと続くということは、かなり「やばい」事態です。

運用報告書に記載されている基準価格は、通常は契約時の価格がそのまま維持されています。ところが、「特別分配金」によるタコ足分配が続くと、この基準価格がどんどん下がっていきます。

つまり基準価格の値動きによって、投資信託の運用成績がある程度把握できます。

あるレポートによると、高分配型投資信託のうち、分配金の額が基準価格を上回っている、つまり実質利回りがプラスの銘柄は1割前後というのが実態です。


どんな銘柄なら高い利回りを期待できるのか?


それでは、投資会社はどうやって稼ぐのでしょうか?、どんな銘柄なら高い運用利回りを期待できるのでしょうか。投資信託はその銘柄によって、期待できる利回りやリスクの大きさが異なります。

各投資商品は、国内株式・債券、海外株式・債券、不動産投資信託等など、投資先を組み合わせて(これを「ポートフォリオ」と呼びます)、特色を競い合っています。

例えば、新興国の公社債を主体とした投資信託の場合、為替のリスクも抱えます。新興国の中には政情が不安定で、下手をすると全部パーになることもあり得ます。だからこそ、高い利回りが期待できるのです。

投信を購入する際は、自分なりの相場観で見通しを建て購入銘柄を見極めると同紙に、銘柄を分散してリスクを軽くすることが大切です。


最後に-定年お父さんも賢くなろう

運用で高いパフォーマンスを叩き出し、儲けた利益はさらに再投資してさらに稼ぐ、これが投資信託の本来の姿です。

運用益をさっさと分配金として支払ってしまう、下手をするとタコツボのタコのように足まで食ってしまう毎月分配型投信は、資産形成にもそぐわず邪道なのです(老後生活の安定といったニーズを考えると、やむを得ないかもしれませんが)。

最近、地方銀行や信用金庫の営業現場では困った問題が起こっています。金融庁からの厳しいお達しを受けていることもあり、銀行各支店では毎月分配型一辺倒の営業スタンスを見直しています。

変わらないのは、定年お父さんたちです。それぞれのライフプランを考えて他の投資信託を奨めても、「毎月分配金が出るタイプは無いの?」と必ず聞いてきます。今や毎月分配型にこだわっているのは、銀行などの営業サイドでなく、顧客側なのです。

投資はあくまで自分の裁量で運用するのが大前提です。すべてを銀行任せにするのではなく、自らも投資の知識を身に着け、経験を積み、投資の腕を磨きましょう。


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ライター紹介

by マネーの神様編集部

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ファイナンシャルプランナー、不動産投資家、起業家、トレーダー、ネットビジネス会社経営者、行政書士等が集まる、ちょっと不思議で多くの面白い情報が飛び交う編集部です。

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