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利益・収益・収入の違いを理解し経営センスを磨こう

利益・収益・収入、一般の人にとって、この3つに違いはありません。どれも「入ってくるお金」という意味では同じです。

サラリーマンなら、仕事で経理や経営に携わる場合を除き、この3つの違いが判らなくても困ることはありません。

優秀な営業マンなら、どれだけ売上予算を達成できるかが評価の基準です。利益・収益・収入の違いなど関係ありません。

宣伝担当者なら、使える予算のことは気にしますが、そもそも利益・収益・収入といった概念がありません。

工場のエンジニアなら、生産性・稼働率・コストの管理に一生懸命です。利益・収益・収入のことは考えません。

ところが、個人事業主となると話は変わってきます。副業を始めた、個人事業を立ち上げた、アパート経営を始めた、いずれの場合も3つの違いを知っていなければ経営はできません。

売り上げが増えているのに経営が苦しい、利益が出ているはずなのに仕入れ代金が捻出できない、こうした問題が個人事業主の頭を悩まします。

今回は、利益・収益・収入の違いは何か、その違いが経営を良くしていくのに、どう貢献するかを考えてみましょう。


利益・収益・収入の違い


(収益とは)
わかりやすく言えば売り上げです。一般的な事業なら、商品やサービスを提供した対価です。

アパート経営では、入ってくる家賃が収益です。礼金も返さなくてよいので収益です。敷金は、返さなくてはいけないので収益には含めません。

銀行なら、受け取る利息が収益です。返済された元本は、返ってきただけなので収益には含まれません。

代金を受け取っていなくても、納品が終わっていれば収益に含まれます。前金で受け取った商品代は、現物を渡すまでは収益に含まれません。

(利益とは)
収益から商品の原価、経費を差し引いたのが利益です。ちなみに商品の原価のみ差し引いた利益を「粗利益」と呼んだりもします。

(収入とは)
キャッシュとして入ってくるものはすべて「収入」です。「収益」と同じで、同じではありません。

代金が入ってこないうちは、たとえ商品を納入していても収入には含まれません。

ちなみに銀行からの融資でも、入ってきたお金は「収入」です。


収益と利益の関係-薄利多売

渋谷、新宿といった繁華街では、通りを挟んでラーメン屋さんが競争しているケースも少なくありません。そうした時、クーポン券や半卵無料券などをばらまけば、お客は集まるかもしれません。でもその結果何が起こるでしょうか?

お客さんは集まり、収益は増えるかもしれません。ところが無料のクーポン分は余計なコストがかかり、利益を圧迫します。下手をすると、収益は増えたのに利益は減った、なんてことになりかねません。

それに、もしかしたら向こうの店も同じ対抗策に打って出るかもしれません。そうしたら底なし沼の消耗戦に突入してしまいます。ボクシングのタイトルマッチでいえば、お互いノーガードで、相手が倒れるまで打ち合っているようなものです。

ラーメン屋だって一介の料理人です。料理人なら麺・ツユ・チャーシューに工夫を凝らし、味で勝負すべきだと思いませんか?そうしたらクーポン券を配らなくてもお客さんは集まるはずです。

実は日本の外食産業は、過当競争に陥っているせいか、利幅が少ない(利益率が低い)企業が一般的です。例えば牛丼店や回転ずしチェーン店を経営するZ社の収益は5期連続で伸び続け、2016年には5200億円を超えています。一方で利益は100億円強で、利益率は2%強という数字です。


-グローバル企業は厚利多売

iPhoneやiPadで有名なアップル社、収益は2千億ドル強(約22兆円)で、トヨタ自動車の28兆円には及びません。

ところが利益は600億ドル(約6.6兆円)で、トヨタ自動車の3兆円を軽く上回っています。トヨタの利益率(利益/収益の比率)は10%を超えており、決して低い訳ではありません。アップルの利益率30%が凄すぎるのです。

アップルだけではありません。グーグル(アルファベット社)は、収益が900億ドル、利益が240億ドルですから、利益率は25%を超えています。

日本ではあまりなじみがありませんが、平均年収が5000万円を超えるので有名な投資銀行ゴールドマンサックス社も、利益率は25%に達します。

どうしてこんなに利益が出るのでしょうか。欧米のグローバル企業は、日本企業のようにライバルとのシェア競争にひたすらまい進するのでなく、イノベーションを通じて他社がまねできない斬新な商品・サービス・ビジネスモデルを産みだし、高い利益を確保するのです。

トヨタは、徹底したかんばん方式を始めとした、徹底した生産性向上や部品コストの削減が得意技です。そうした日本的なお家芸では、アップル流のビジネスモデルに追いつくことはできないのですね。

個人事業でも、他に負けない強みを活かせば、価格競争に陥ることなく、高い利益を上げることができるかもしれません。チャレンジする意味はありそうです。


-同じ安売りラーメンでも利益に差が出る


外食チェーンのK社とH社、いずれも低価格ラーメンを看板商品として、安い中華料理でシェアを競い合っています。収益は双方とも400億円前後ですが、利益はK社の8億円に対してH社は40億円と5倍の数字です。H社は外食業界の中では異例に高い利益率10%を維持しているのです。なぜでしょう?

K社は東日本を中心に520店を展開しているのに対し、H社は首都圏に360店を展開します。Hは高い集客が見込める首都圏にエリアを絞り、1点当たりの収益を9700万円まで高めています。K社の場合は7500万円ですから3割上回っています。

さらにH社はチョイ飲みに力を入れています。アルコールは利幅が大きいのです。チョイ飲みを誘うために、空揚げなどをメニューに目立つように載せています。

一方でK社は郊外を中心に店舗を展開、多くは駐車場を併設しています。ファミリー層を狙ったのでしょうが、チョイ飲みを拡げるには間違いなく足かせとなっています。

ちょっとした工夫で利益を増やすことができる、しかもライバルとの差は広がるばかりとなるのです。こうした工夫は、個人事業主にも学ぶべきところがあるのでしょう。


収益と収入の関係-保証金は麻薬と同じ

賃貸業でスナックなどにフロアーを貸し出す場合、取引慣行として6か月以上の保証金を預かるケースがあります。現金が入ってという意味ではこの保証金は「収入」ですが、原状回復に充てた分以外は原則として退去時に返却しなくてはいけないので「収益」には当たりません。

経費としての支出は、本来は収益の範囲にとどめておかなくてはいけません。ところが「収益」の意味を理解していない賃貸業者は、「収入」として入ってきた保証金を経費に充ててしまうのです。

よくある回数券も同じです。エステサロンや英会話教室で発行する「ご利用券」、ガソリンスタンドで発行する「洗車券」「プリペイドカード」はその代表例です。

回数券ですから、まだサービスは提供していないので「収入」ではあっても「収益」ではありません。ところがその「収入」を仕入れの代金や経費の支払いに充ててしまい、未利用の回数券を残したまま廃業、トラブルにつながるケースはまれではありません。

こうした前金は、経営にとって「麻薬」です。度を過ぎると経営の体力を蝕んでいくのです。


-勘定合って銭足らず

たとえ収益が上がって利益が出ていても、収入が入ってこず、事業が破産することがあります。これを「勘定合って銭足らず」と言います。

品物を納品しても、得意先がすぐに代金を払ってくれるわけではありません。得意先の方が力が強い場合、下手をすると5か月、6か月期日の手形を渡されます。

銀行に手形を差し入れれば現金化できますが、当然のように手数料を天引きされます。そんな余裕はないので、期日が来るのを待つしかありません。

代金がいつ入金されるかを管理していないと、商品を仕入れる資金を手当てできない、最悪の場合は手形が不渡りになりかねません。一度でも不渡りを出すと、仕入先は手形で取引してくれなくなります。

現金不足で困ることが無いように、収入支出表と資金繰り表を作りましょう。手形の期日がいつ来るか、給料や仕入の代金はショートしないか、すべて予定表を付けておきます。


ドンブリ勘定ではいけない


ドンブリ勘定のドンブリとは、大工や職人の親方が身に着けていた、前に大きなポケットが付いたエプロンです(海鮮丼のドンブリではありません)。昔の親方は、施主から貰った代金をポケットに入れ、職人に払う手間賃をそのポケットから払います。

いくら受け取ってどれだけ払ったかは、よくわかりません。ポケットの中に残ったお金が「利益」だという考え方です。当然前金などを受け取っても一緒くたになってしまいます。

それではいけないのです。せめて日々の売上や経費の支払いを出納帳に記録しましょう。

もちろん確定申告には必要ですが、それだけではありません。お金の流れをつかんで経営を改善し、利益を増やすのです。例えば在庫を抱えすぎ、得意先に振り出している手形の決済期間が長すぎる、商品の粗利益率が低すぎるなど、さまざまな課題に気づくはずです。

「もうかりまっか?」と聞かれて「収益は○万円、利益は×万円、収入は△万円」と即答できてこそ、これからの経営者です(「ボチボチでんな」ととぼけるのは,もちろんありです)。


最後に-カタカナに変わっても本質は変わらず

経営に関するアドバイスを中小企業診断士や税理士、コンサルに委ねている個人事業主や中小企業経営者の方も多いでしょう。彼らは難しい用語を駆使し、もっともらしい御託宣を奉ります。でも忘れてはいけません、舵を切る船長はあなた自身です。

最近はカタカナ用語が幅を利かせています。事業の内容によっては、英文の経営レポートに目を通さなければならない事態も稀ではありません。

収益は英語ではSales、利益はBenefit、収入はRevenue、Cash-inと呼んだりもします。

経営用語も海外からどんどん新しい概念が入ってきます。キャッシュフロー経営、バリューチェーン、バランススコアカード、サプライチェーンなどなど、正直なところ消化不良気味です

それでも利益・収益・収入の本質的意味は変わりません。そこさえ押さえておけば、事業経営のかじ取りを誤ることはありません。自信を持ちましょう、経営の現場が一番わかっているのはあなた自身なのですから。


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ライター紹介

by マネーの神様編集部

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ファイナンシャルプランナー、不動産投資家、起業家、トレーダー、ネットビジネス会社経営者、行政書士等が集まる、ちょっと不思議で多くの面白い情報が飛び交う編集部です。

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