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株主総会とは何?私たち個人投資家と関係あるの?そんな悩みを徹底解説!

前列を固める屈強の体育会系社員

三つ揃いの白いスリーピースで身を固めた黒い紳士たち

「議長!質疑を」「異議無し、議事進行!」「ふざけんな、てめえ、この野郎」渦巻くやじと怒号

怪しげな人物が議場をうろうろし、壇上の社長に向かって、一升瓶が投げ込まれる

「これにて第55株主総会を終了しますっ!」騒然とした中、閉幕を叫ぶ社長さん

ほんの少し前、日本中の企業で見られた株主総会の風景です

総会を運営する総務部は、毎年この時期になると、胃がシクシクと痛んだとか

ときには大物に頼んで、総会を無事にまとめることもあったと言います。

その大物は着流し姿で長い白髭を蓄え、ステッキを突いて議場に現れたとか。大物の登場で、それまで騒ぎ立てていたチンピラたちが、波を打ったように静かになった、そんな伝説が語り継がれています。


何のために株主総会があるのか?-所有と経営の分離


日本には、200万社を超える株式会社が登記されています。

そして、株式会社の99%が資本金1億円未満の中小企業、85%が1千万円未満の小企業です。

こうした企業の大部分は「同族会社」、つまり、創業家の家族や親族がオーナーとして株の過半数を所有し、かつ社長を始め経営陣を固めます。つまり「所有と経営が一体化」しているのです。

やがてビジネスが順調に伸びてくると、企業は事業拡大の資金を広く投資家から集めようと、株式を上場します。

上場企業は日本で約3500社、株式会社総数の僅か0.14%です。にもかかわらず、その資金力は圧倒的です。時価総額は600兆円に上り、金融機関・個人投資家・外国人投資家など多数の投資家が資金を拠出し、株主として名を連ねています。

こうなってくると、株主が直接経営に携わるのは不可能です。そこで、会社の経営は取締役会という経営陣に委ねます。これが「所有と経営の分離」です。


-チェックアンドバランス

ところが、放っておくと経営陣は好き勝手をやり始めかねません。なんたって自分が出資しているわけではないので、会社が傾いたって自分の懐は痛まないのですから。実際に過去には、驚くような企業不祥事が起きています。

そこで、社長をはじめとしする取締役たちが成果を上げているかを監視する仕組みが必要になってきます。それが株主総会です。

株主総会ではこうしたチェックの役割を働かせるだけではなく、取締役の選任や合併・増資・配当など重要な方針を決める最高の意思決定機関として機能します。

取締役会の経営をチェックし、取締役に権限を集中させないといった意味で、「チェックアンドバランス機能」と呼ばれます。


株主総会の機能と役割-業績をチェックする

では、具体的に何をチェックし、意思決定するのでしょうか?一番目は業績のチェックです。
取締役会は、業績を報告し、株主総会で承認を受けます。業績が悪ければ悪いで、問題点は何か、今後どうしていくかを説明しなければなりません。

取締役会は、そのために計算書類や事業報告書を作成し、株主に株主総会の招集を通知する際に配ります。最近はWEBによる配布も増えています。

計算書類は主に、財産と借金の目録である貸借対照表、1年間の収支を明らかにする損益計算書、数字の根拠や背景を説明する個別注記表で構成されます。これらの書類の内容は、会社法により細かく定められています。

ちなみに上場企業の業績は、EDINET(有価証券報告書 電子開示システム)に登録され、株主でなくてもWEBで見ることができます。

上場されていれば、不特定多数の投資家が株を買う可能性があります。だからこそ、現在の株主だけでなく、将来の株主に対しても業績をガラス張りにする必要があるのです。


-分け前を決める

1年間の儲けは、株主に分配しなければなりません。これを配当金と呼びます。一方で、儲けの全部を配当に回してしまうと、企業はビジネス拡大、他企業の買収、工場への設備投資などにお金を回すことが出来なくなってしまいます。

そこで取締役会は、株主還元と成長資金確保のバランスをとった配当議案を作成し、株主総会に提案します。最近では、「1株当たり〇〇円」といった配当案だけでなく、配当方針(利益の何割を配当に回すのかを示す配当性向など)も説明するケースが多いようです。


-取締役会メンバーを決める


少し前のことですが、造船大手の川崎重工の取締役会が社長を解任し、新聞紙面を飾りました。派閥争いや内紛の噂も無く、多くの関係者が驚いた解任劇でしたが、実は取締役会では社長職を解任できても、取締役を解任することはできません。

つまり、「取締役社長」が社長職を解任されると、ただの「取締役」に立場が変わります。取締役会は「取締役会メンバー」の地位を奪うことはできないのです。

取締役メンバーは、株主総会の承認を経なければ選任することができません。解任も同じです。社長が恣意的に選んだり、クビにしたりといったことは本来できないのです(現実は別として)。


-取締役への給料や賞与を決める

取締役への給料や賞与はどうでしょう?

社長に任せきりだと、会社が赤字なのに多額の報酬を支払い続けたりと、とかくお手盛りになりがちです。そこで、取締役全員の報酬総額の上限をあらかじめ定めておくのです。

ちなみに、社長、副社長はといった一人ひとりの取締役への報酬は、取締役会(または報酬委員会)の権限に委ねられています。


-多数決で決める

こうした配当・取締役会メンバーの選任・計算書類の承認などは、議案として株主総会に提案されます。議案は、取締役会からだけでなく、一定の条件を満たす株主も提出することができます。これを株主提案権と呼びます。

議案の承認は、株主の投票による多数決で決まります。これを決議といい、投票する権利を議決権といいます。通常は議決権の過半数を獲得すれば承認が決まります。これを普通決議と呼びます。ただし、他企業との合併や会社の分割といった企業の根幹に係る提案は、3/2以上の議決権確保が必要です。これを特別決議と呼びます。


-1人1票ではない

さて、投票する権利について説明します。最近18歳以上にも選挙権が与えられ話題になりました。当たり前のことですが、衆議院選挙でも、市長を決める選挙でも、投票する権利は一人1票です。お金持ちだからといって投票用紙が何枚も送られてくるといったことはありません。

株主総会の投票は、こうした選挙での投票とは違い、どちらかといえばAKB総選挙の投票と似ています。AKB総選挙では、CDなどを購入すれば、その枚数分だけ投票権を獲得できます(秋元氏が編み出した、画期的なビジネスモデルといえるでしょう)。

株主総会でも、株を100株所有している人は100票、1万株なら1万票の議決権を行使できるのです。

一通り、株主総会のチェックアンドバランス機能について説明しました。と、ここまでが教科書通りの「株主総会の役割」です。現実は、その通りとは行きません。株主総会はずっと苦難の歴史を歩み、心ある市場関係者の努力により、その地位を向上させてきたのです。


株主総会は役割を果たしてきたか?-昭和の経営者はやりたい放題

「シャンシャン総会」って聞いたことありますか?質疑もさせずに短時間で進行し、三本締めで「シャンシャン」と終わらせる、1980年代までの株主総会ではおなじみの風景です。

この頃の日本は、株主総会は完全に形骸化し、「チェックアンドバランス」の機能を果たしていない、寧ろそんな言葉すら無かった時代です。

当時の日本は高度成長期からバブル経済へと続いたことで企業の業績も比較的好調で、株主も鷹揚に構えていました。取締役はフリーハンドを与えられ、よく言えば思い切った経営が出来た、悪く言えばやりたい放題の時代でした。


-昭和の風物詩:株主持ち合いと総会屋


この頃の株主総会を支えていたのは、株式の持ち合い、と総会屋の存在です。

(株式の持ち合い)
上場企業はメインバンクや取引先に安定株主になってもらう、そのお返しに相手の安定株主になる、これが株式の持ち合いです。お互いに株主として経営には口を出さないのが、暗黙の約束という訳です。

(総会屋の存在)
こうした企業のスキャンダルネタを仕入れ、脅しをかけてくるのが総会屋です。彼らは大企業の株主総会を妨害し、その世界で名をあげてきた存在です。会社ゴロとも呼ばれます。ときにはジャーナリストと称し、怪しげな雑誌を発行している輩も暗躍していました。

こんな連中を放っておいたら何をされるかわかりません。総務部の担当者は、泣く泣く賛助金を支払います。

目先の利く総務部員は、与党総会屋を使います。与党総会屋は、株主総会を仕切ります。大物が控えている総会屋の場合、会社ゴロも迂闊に手が出せません。


-宴の終焉

そんな経営者天国の時代も終わりを迎えます。1997年6月29日、大手都市銀行の元会長が自宅寝室で自ら命を絶ちました。

日本最大の証券会社から始まった総会屋への利益供与摘発は、四大証券全体に広がり、さらに都市銀行の不正融資に及んだのです。その不正融資額はなんと250億円!司直の手が及ぶまで、日本最大の預金量を誇るこの銀行は、闇の勢力との手が切れなかったのです。

この事件を転機に、総会屋はその勢いを失います。

その後、外国人投資家の増加、金融機関による持ち合い株式の解消も進み、株主と経営陣との関係、株主総会の位置づけも徐々に本来の姿を形作ります。


最後に-株主総会は進化する

かつて視聴率三冠王を取り続けた某メディア企業の株主総会、最近の低迷ぶりも災いし、一部役員に対する選任議案の賛成比率が7割を切りました。これだけ賛成比率が低いとなると、個人投資家だけでなく機関投資家の一部も反対に回ったと考えられます。

株主の経営陣に対する視線は、日増しに厳しさを増しています。

今年の旬のネタは、日本独特の相談役・顧問制度です。社長などの役員を退任したOBたちが、社用車と個室を与えられ、いつまでも我が物顔で振る舞い、下手をすると経営方針や人事にまで口を出す、そうした風潮に株主も疑問を持ち始めたのです。すでに一部大手百貨店では、この制度を廃止しました。

その他、創業者一族などが運営する財団にも批判の目が向けられています。今年3月にも工作機械メーカーが財団への株式譲渡を総会で提案し、話題になりました。賛成率は67%、決議に必要な割合は66.6%ですから薄氷の結果です。

背景には、開かれた株式市場をめざす金融庁のスタンスがあります。金融庁は今年になって、機関投資家に個別議案への議決権行使結果とその理由の開示を求めました。つまり、今までのように曖昧な理由で議案に賛成することが出来なくなったのです。


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ライター紹介

by マネーの神様編集部

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ファイナンシャルプランナー、不動産投資家、起業家、トレーダー、ネットビジネス会社経営者、行政書士等が集まる、ちょっと不思議で多くの面白い情報が飛び交う編集部です。

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