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主人が亡くなり相続税が心配!1億6000万円まで配偶者控除が受けられる?

先日、市川海老蔵さん夫人の麻央さんが亡くなりました。彼女が綴ったブログ「KOKORO.」は話題を呼び、がん闘病者だけでなく多くの人々に感動を呼び起こしました。

海老蔵さんのように、奥さんに先立たれるケースは、どちらかといえば少数派のように思えます。それは、データでも証明されます。

最近でこそ結婚時の男女の年齢差は1.6歳まで短くなっていますが、30年ほど前までは男性の方が3歳ほど年上でした。

しかも女性の方が長生きです。女性平均寿命が87.05歳に対して男性は80.79歳で、6年ほど男性の方が早死にします。

結婚時の年齢差と寿命の差を合わせると、なんと10年近くです。

遺されたご夫人、寂しいのは最初のうちだけで、皆さん一人になると元気になるそうです。そんなご夫人、悩みの種は相続税、ということでしょうか。

今回は、配偶者に対する相続税の優遇制度、なんと1億6000万円まで税金がかからない「配偶者控除」のメリットや注意点について解説します。


お金持ちにとって相続税は悩みの種!


実際のところ、相続税を心配しなければならないのは、ほんの一握りのお金持ちだけです。平成27年の死亡者数は129万人、そのうち相続税がかかるほどの遺産を残したのは10万人に過ぎません。死亡者に占める課税対象者の割合(これを課税割合と呼びます)はわずか8.0%です。

それでも平成26年まで、課税割合は4.4%です。たった1年で倍近くに上がったわけですが、何故かといえば平成27年に相続税が増税されたからです。つまり、今まで相続税がかからなかったようなケースでも納税する場合が増えたのです。

背景には高齢化に伴う死亡者数の増加があります。10年前に亡くなられた数は108万人でしたが、これが徐々に増え続け、2020年には144万人まで増え、増加傾向は2030年まで止まりません。

財政難に苦しむ政府はここに目を付け、相続税を強化することにしたのです。

ちなみにこの10万人の課税対象者たち、1人当たりの遺産額は2億円、納付額は2千万円に達します。殆どの庶民にとっては無縁の相続税も、お金持ちにとっては悩みの種です。


配偶者控除を活用すれば節税できる!

(最低1億6000万円が非課税に)
この遺されたご夫人に対する相続税の優遇制度が、「配偶者控除」です。別にご夫人だけでなく、逆に奥様が亡くなられてご主人が相続を受ける場合にも適用されますが、あくまでレアケースです。

法令上の正式名称は「配偶者に対する相続税額の軽減」ですが、長ったらしいので一般的には「配偶者控除」と呼ばれています。

「配偶者が遺産を相続した場合には、最低でも1億6000万円まで非課税とする」というのが制度の内容です。1億6000万円がまるまる非課税扱いとなると、4700万円を節税できます。

(1億6000万円以上が非課税になる場合)
最低1億6000万円ですから、それ以上に非課税の適用を受けることもあり得ます。つまり法定相続分が1億6000万円を超える場合には、法定相続分までを非課税とするという訳です。ごめんなさい、「???」ですよね。具体的に説明します。

例えばお子さんが2人いて、ご主人から4億円の遺産を相続したとします。そうすると奥さんの法定相続分は4億円×1/2(配偶者の法律上の取り分)=2億円>1億6000万円です。この場合は2億円までは非課税になります。

配偶者の法律上の取り分は、子供がいる場合は1/2と決まっています。

この他、子供がいなくてご両親が存命の場合は2/3、ご両親も他界され旦那さんの兄弟がいる場合は3/4です。「行列のできる・・・」に登場しそうですが、実例は聞いたことがありません。

(毎年約2万人が利用)
この配偶者控除の制度、政府の統計によると毎年約2万人が利用し、総額で4000億円を減税しています。1人当たりにすると、2000万円もの節税メリットを受けている計算です。


税務署は太っ腹?

「1億6000万円まで税金を払わなくていい?気前がいい制度だなあ」そんな風に感じましたか?別に税務署が太っ腹なわけではありません、ちゃんと理由があるのです。

つまり税務署は、奥さんへの相続は同世代間の相続であり、税負担は軽くすべきだと考えているのです。

税務署では、旦那さんの死亡による相続を第1次相続、その後奥さんが無くたった時の相続を第2次相続と呼びます。

税務署は、第2次相続、つまり奥さんが無くなって子供たちが相続した時に、きっちり税金を取り立てれば構わないと考えています。それにいくら奥さんの方が長生きといっても平均で10年以下(第1次相続から第2次相続までの期間)、いずれは回収できる話です。

それに旦那さん名義の遺産といっても、内助の功(死後ですか?)があってこそ築けたのです。年老いた奥さんは他に収入の道も無く、その遺産を当てに老後を過ごさなくてはなりません。これに多額の税金を課すのはあんまりだという訳です。


兄弟は仲良く!


(親族で話がついていないと配偶者控除は適用されない)
この配偶者控除、相続協議でもめると適用を受けることが出来なくなります。

相続税の申告書の提出期限は、亡くなられた日から10か月です。この10か月の間に、お子さんたちと「遺産の分け前」を握っておかなければなりません。握った結果を「分割協議書」にまとめ、全員で署名し、実印を押します。

そうそう、全員の印鑑証明書、戸籍謄本も用意しなければなりません。

親子間が相続でもめる、という話はあまり聞きません。お子さんにしてみれば、奥さんが相続した財産も、いずれは自分が相続するので、ここでもめる必要はないのです。

兄弟同士は、はっきり言って揉めます。「いままであんなに仲が良かったのに」相続争いを境に口を利かなくなることも珍しくないのです。

なあなあでは話がまとまりません。特に「長男だから多めに相続する」「親の世話をしてたから報いる」といったたぐいの話は、いきなりその場で切り出したら収集がつきません。

基本は法律通り兄弟均等に分ける、そうでなければ生前に取り決めておくのが、丸く収めるやり方です。

(10か月を過ぎても協議が調わない場合)
仮に期限までに話がまとまらなければ、配偶者控除の適用を受けることはできません。この場合は、4700万円を税務署に納付しなければなりません。

その後3年以内にお子さんたちと話がまとまれば、あらためて配偶者控除が適用されます。この場合は、「4700万円を返してください」と申請します。これを「更正の請求」と呼びます。それでも一旦は5000万円近くを用立てなくてはいけないので大変です。

ただし家庭裁判所による和解調停や裁判の係争が長引いているときは、さらに延長が認められます(和解が成立したなど解決した日から4か月以内が期限です)。それでも、こんな事態になるのは避けたいですよね。


課税額0でも申告書の提出はマスト

配偶者控除の適用を受ける結果、課税額が0になる場合があります。

「税金がかからないんだから申告書を提出しなくていいんでしょ?」そうはいきません。申告要件といって、配偶者控除は税務署に申告書を提出してはじめて認められるのです。

税務署に提出する申告書は、「相続税の期限内申告書」と呼びます。申告書には、財産分割を証明する書類(分割協議書と印鑑証明書のセット又は遺言書)を添付します。

申告書は、税務署に直接直接出向いて提出する(開庁は平日のみです)他に、税務署の投函箱に入れる、あるいは郵送する方式も認められています。郵送の場合の提出期日は、税務署に到着した日ではなく消印日付ですが、誤りを指摘される場合もあるので、早めの申告を心がけましょう。


いたずらに配偶者控除を活用すればよい訳ではない

配偶者控除の適用を受けることが出来れば、確かに節税は可能です。ここでいったん落ち着きましょう。なぜ税務署はこんなに寛大なんでしたっけ?それは、いずれ奥さんが亡くなれば、お子さんたちからきっちり追い込みをかけられるからですよね。

賢いやり方は、旦那さんが亡くなった時点で、なるべくお子さんたちにも財産を分けておくことです。

(具体例)遺産が1億5000万円、お子さんが3人の場合

ケース1:奥さんが1億5000万円を全て相続したとき
第1次相続での納付額:配偶者控除の適用を受け0円です。
第2次相続での納付額:お子さん1人当たり380万円×3人=1140万円

ケース2:全員が法定相続分(奥さんは1/2の7500万円、お子さんは1/6の2500万円ずつ)
第1次相続での納付額:奥さんは0円+お子さん1人当たり190万円×3人=570万円
第2次相続での納付額:お子さん1人当たり90万円×3人=270万円
第1次相続納付+第2次相続納付=840万円

ケース1-ケース2=300万円も節税できます。


最後に-配偶者控除は時代の変化に追いついているか?


さて最後に、少し硬派な話をします。人々のライフスタイル、夫婦や家族のありかたは時代の流れとともに変わってきます。

例えば、結婚しても職場では旧姓を使用し続ける女性も増えています。今までは差別感情が根強かったLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)への認知も進み、人事制度上LGBTを認める先進企業も増えてきています。

税に係る法律も、本来ならこうした時代の流れに応じ、柔軟に変わっていかなければならないのですが、実情はどうでしょう。

(内縁関係は認めない)
たとえば「配偶者控除」は、いまだに適用対象者を「婚姻関係にある者」に限っています。つまり内縁関係にある場合には、非課税の恩恵を受けることができません。

現在の法律で、同性婚は婚姻関係とは認められません。よって同性カップルは「配偶者控除」の対象外です。

(年の差婚に認めるのは公平か)
逆に不公平を感じる事例です。

国勢調査のデータによると、生涯未婚の割合は男性で4人に1人、女性で7人に1人だそうです。どうして男性の方が高いかというと、バツイチで再婚する男性が多い、その場合相手に初婚の女性を選ぶケースが増えているのです。

そうしたケースでは年が離れる場合も少なくありません。実の娘に再婚相手の女性を対面させたら、娘さんが開口一番「私の方が年上ですね」なんてのはよく聞くオチです。

別にそれは構わないのですが「配偶者控除」の適用となると話は変わります。これだけ年が離れていると、もはや「同世代間相続」と言えるでしょうか?

こうした「歪み」を解消しないと、われわれ庶民の間で税に対する不信感が芽生えます。でも、そもそも私なんかは、相続税がかかるほど貰える遺産がなさそうですが。


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ライター紹介

by マネーの神様編集部

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ファイナンシャルプランナー、不動産投資家、起業家、トレーダー、ネットビジネス会社経営者、行政書士等が集まる、ちょっと不思議で多くの面白い情報が飛び交う編集部です。

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